タイ・タオ島

Ocean


一本潜り終わった船上に「サウスウエストピナクルにジンベエが出た」と連絡が入った。僕らを乗せたバンザイ号はポイントへ急行した。水中はかなり透明度が悪かった。大村さんと一緒に泳ぐ距離から推測すると5~6m見えていれば良い方か。粘って探すがやはり見当たらない。でも確かに気配は感じる。一人そろそろEXを考え始めた時、僕の視界の右端の魚群が崩れた。次の瞬間現れたのは待ちに待ったあいつだった。

Romance

透明度に苦戦させられた撮影ではあったものの、やはりタオの魚群は凄まじいものがあるし、ラッキーなことにジンベエにも出会えた。しかし今回は何より、透明度が悪いからこそ感じられることがある、という実感を持つことができた。なかなか具体的に説明することが難しいのだが、見えない(見難い)ことによって、すぐそばで起きている物事を想像したり、出来事に敏感になることによって、これまでとは少し違った感覚で潜ることができた。
 

「生き物たちの気配を感じながら潜る」というべきか。まだしっかりと人に伝えるには整理が必要だけれども、そう思うと足元にいつも居てくれる小さな生き物たちの存在も余計に愛しく思えるようになった。

ヨロイアジ?


「他の海ではなかなか見かけないと思うんですけど、タオにはなぜかいっぱいいて、今ちょうど求愛シーズンの真っ盛りなんですよ」とガイドの大村さんが話す。その魚はヨロイアジ。「ヨロイアジ……?」聞いたことがあるようで無いような名前。実際にその求愛の現場まで連れて行ってもらうと、猛スピードで行ったり来たりする影が見える。ギラギラと光る銀色のボディ。ギンガメアジの求愛などとは違い、かなりアグレッシブな激しいチェイシング。またじっくりと観察してみたい魚が増えた。

PAGE TOP