君の名は。まだ、会ったことのない魚を探している

なぜ、私達は海に潜るのか。いろんなきっかけ、理由はある。その一つに私達が住む陸上とは違う不思議な世界が体験できるから。
そんな不思議な水中世界には、ヘンテコな生きもの達のオンパレード。激動する環境変化にアジャストし古代から生命をつなぐ魚達、岩や海草に擬態した魚達、大きな魚達から身を守るために1つの生命体のように動く群れをなす小さな魚達。私達がけっして行くことが出来ない深海に棲む魚達。私達はまだ会ったことのない魚、見た事ない魚を探して海に潜る。君の名を探して。

この魚、海中で変化する、突然入れ替わる?

何と言う不思議。
魚達の中には小さなときは性別がなく、大人になったら性別が決まる。それもオスからメスへ。メスからオスへ。環境によって変化する。場合によってはどちらも持ってる。私達人間の感覚からするとなかなか想像できない。
でも、海中世界では普通のこと。海をフィールドにしているダイビングガイドの面々は毎日そんな魚達との交流を深め、生態に迫り、不思議に取りつかれている。それを、遊びに訪れたダイバーへ伝えていく。
今回は水中写真家の鍵井靖章氏、古見きゅう氏、世界各地のダイビングガイドからそんな不思議な魚を紹介して頂く。

来世は南太平洋のイケメン魚にしてください

各地の海から男女から入れ替わる魚を紹介します

写真家 鍵井靖章が紹介するお魚たち

  • ウミウシ

    ウミウシ

  • ペインテッドアンティアス

    ペインテッドアンティアス

  • ペインテッドアンティアス

    ペインテッドアンティアス

  • ナポレオン

    ナポレオン

  • ハナヒゲウツボ

    ハナヒゲウツボ

  • キンギョハナダイ

    キンギョハナダイ

  • タテジマキンチャクダイ

    タテジマキンチャクダイ

  • カクレクマノミ

    カクレクマノミ

  • タテジマキンチャクダイ

    タテジマキンチャクダイ

  • ハナヒゲウツボ

    ハナヒゲウツボ

  • コバンハゼ

    コバンハゼ

  • ハナヒゲウツボ

    ハナヒゲウツボ

  • クマノミ

    クマノミ

  • オキナワベニハゼ

    オキナワベニハゼ

  • タカライ ヌルデパン

    タカライ ヌルデパン

  • ホンソメワケベラ

    ホンソメワケベラ

見られる魚

ウミウシ / ペインテッドアンティアス / ペインテッドアンティアス / ナポレオン / ハナヒゲウツボ / キンギョハナダイ / タテジマキンチャクダイ / カクレクマノミ / タテジマキンチャクダイ / ハナヒゲウツボ / コバンハゼ / ハナヒゲウツボ / クマノミ / オキナワベニハゼ / タカライ ヌルデパン / ホンソメワケベラ

紹介者 写真家:鍵井靖章

写真家:鍵井靖章オスとメスが入れ替わる。なんて生き物の世界は面白いのだろう。
特に、いつもモデルになってくれている海の生き物は、そのような生態の生き物は多い。
海の中の世界を知るようになって、まず驚いたのは、クマノミ。
ファインディングニモで有名なカクレクマノミを始め、クマノミの仲間は全て、性転換する。
幼魚の時は性別が決まっていなくて、群れの中で1番大きくなった個体がメス、2番目に大きくなった個体がオスとなるそうです。
そしてキンギョハナダイを始めとするハナダイの仲間。特にお勧めは、ニューカレドニアでよく見られるペインテッドアンティアス。成熟したメスが性転換してオスになるのだけど、メスの時は、普通に美しい姿態。しかし、オスになると他のハナダイとはまた違った体色となり、かなり美しい。
ハナヒゲウツボも興味深い。体色は、幼魚や若魚では黒色で、成魚になるとオスの青色に変化し、鼻先から背びれは黄色になる。さらに成長すると体色はメスの鮮やかな黄色となり、メスへの性転換を遂げる。黒と青色はよく見かけるが、黄色はなかなかお目に掛かれない。 これまでに、フィリピンのリロアンとインドネシアのメナドで見たことがある。
そして、よくよく調べていくと、さらに面白いことが・・・。
オキナワベニハゼは、卵巣と精巣を併せ持ち、この2つの生殖腺を交互に発達と退縮を繰り返すことで、何度も両方向に精転換できるらしい。
うむ・・・考え方によっては羨ましい・・・。
海のことを知り始めて、ウミウシが雌雄同体であることにとても驚いたけど、まだまだ海の生き物の生態は謎と驚きに満ちているのですね。
性転換するお魚に、そして、まだ見ぬお魚に「君の名は?」

見られる海

ニューカレドニア、フィリピン リロアン、インドネシア メナド、沖縄

ツアーのご紹介

写真家 古見きゅうが紹介する美しい魚

  • スミレナガハナダイ 性転換途中の個体

    スミレナガハナダイ 性転換途中の個体

  • スミレナガハナダイ 性転換後のオス

    スミレナガハナダイ 性転換後のオス

  • スミレナガハナダイ オスがメスに求愛中

    スミレナガハナダイ オスがメスに求愛中

  • スミレナガハナダイ 幼魚

    スミレナガハナダイ 幼魚

  • オレンジフィンアネモネフィッシュ

    オレンジフィンアネモネフィッシュ

  • ダスキーアネモネフィッシュ

    ダスキーアネモネフィッシュ

見られる魚

スミレナガハナダイ / オレンジフィンアネモネフィッシュ(ミクロネシア固有種) / ダスキーアネモネフィッシュ(ミクロネシア固有種)

紹介者 写真家:古見きゅう

写真家:古見きゅうスミレナガハナダイは性転換するハナダイとして有名です。メスからオスへと性転換している途中の個体です。こんな個体に会えると嬉しくなりますね。
オレンジフィンアネモネフィッシュはミクロネシアを代表するクマノミの仲間です。体色が鮮やかですね。
ダスキーアネモネフィッシュは渋い色合いですが個人的には、見た目の丸っこい感じが好きです。

見られる海

ミクロネシア、チューク、沖縄、久米島

ツアーのご紹介

タオ島

  • キジベラ オス(悪そうな顔)

  • スミレナガハナダイ 性転換後のオス

    ギチベラ メス(黄色バーション) 愛らしい顔

  • 寄り添う2人

  • 寄り添う2人

  • オレンジフィンアネモネフィッシュ

    ギチベラ メス(黒色バーション)

  • タオ島でのダイビング

見られる魚

ギチベラ

紹介者 ビッグブルーダイビング:大村 健

ビッグブルーダイビングベラの仲間は雌から雄に性転換するのですが、それは雄の方が繁殖活動をするのに有利な生態なので、大きくて強い個体は雄になろうとする種だからです。
そのなかでも特にギチベラは雄と雌の見た目があまりに違うのでインパクトありです。
成熟した雄は大槻ケンヂのメイクみたいな悪そうな顔をしています。
対して雌は黄色の個体とグレーの個体がいますが、とても同じ魚とは思えないほど顔つきが違って可愛い顔をしています。
雄は縄張りを持ち、ハーレム内にはたくさんの雌がいます。
求愛行動を取る雄が縄張り内の中層で臀鰭を下げてくるくると旋回し、胸鰭をバタバタしたり、腰をフリフリしたり、必死に求愛のダンスをして雌の興味を誘います。
その下に縄張り内の雌がたくさん集まってきます。
そんな雄の頑張りに応えるように雌たちが徐々に中層へ上がってきます。
その中から脈のありそうな雌に手当たり次第に誘いをかける雄。
その気になりきれない雌にフラれるダメな雄もいれば、百発百中!?のイケメン雄もいます。
最後は雄が胸ビレで雌の背中を挟んで、まるで肩を組むように寄り添いあいながら浮上し、中層で白濁した卵と精子を放出させます。
いかにも悪そうな雄があどけない表情の雌を産卵に誘う様子が笑えますよね。
セリフを想像して当てはめると面白いですよ。
その後、急旋回して潜降し、次の雌を物色する絶倫な雄・・・笑
ところが!
この雌も将来雄に性転換するかもしれないのですよ。
縄張り内の雄がいなくなると2番目に大きな雌が雄に性転換するというわけです。
いろんな人生経験を積むことで顔つきも変わってくる・・・なんて擬人化してみてみると面白いですね。
ちなみに、求愛?産卵はタイの海でいつでも100%観せれる生態シーンというわけではありませんが、もしやっていたら見るのは簡単です。
なぜ見やすいかというと、場所は浅い場所、時間帯が午後遅めと決まっているので、ちょうど私たちが午後のダイビング楽しんでいる時に見れるからです。
単に泳いでいるだけのギチベラの雄と雌なら難なく見せれますので、雄と雌の人相の違いを楽しんでみてください。

ツアーのご紹介

モアルボアル

見られる魚

パープルビューティー / メラネシアンアンティアス / フチドリハナダイ / スジハナダイ / スミレナガハナダイ / キンギョハナダイ

紹介者 チキチキダイバーズ:讃井梨沙

チキチキダイバーズモアルボアルのペスカドール島では、フィリピン代表種のパープルビューティー、メラネシアンアンティアスが、海を染めてしまう程の大きな群れで南国の海を彩ります。
群れは大多数の雌から成り、その中で体の大きな雌が雄へ性転換をします。
雌から性転換した雄は雌とは異なる美しい体色を持ち、自分の力をアピールするかのように力強い泳ぎを見せてくれます。
その雄が弱ると、雌の中からまた新たな雄が誕生し、群れを形成。
雌に囲まれる一見羨ましいようなハーレム状態でも、常に勢力争いが行われる、お魚の世界もなかなか厳しいですね…笑
よくよく観察すると性転換中の個体がいたり、雄ばかりの群れがいたりと、ハナダイの生態をワイドでもマクロでも楽しんで頂けます♪
他の場所では深い場所にいる事が多く、なかなかお目に掛かれないフチドリハナダイやスジハナダイも20m前後でじっくり観察できます。
彼ら美しさや、生態を思う存分楽しめる、まさにハナダイ天国です!
彼らが織りなす鮮やかで、神秘的な海を是非楽しみにお越しくださいね♪

ツアーのご紹介

アニラオ

見られる魚

カクレクマノミ / クマノミ / ハマクマノミ / ハナビラクマノミ / トウアカクマノミ / セジロクマノミ / ハナヒゲウツボ / ルソンハナダイ / スミレナガハナダイ / キンギョハナダイ / メラネシアンアンティアス / ケラマハナダイ / フトモイハナダイ / アカボシハナゴイ / クジャクベラ / ウミウシ / ヒラムシ / ミドリイシ

紹介者 ヴィラマグダレナ:大沢

ヴィラマグダレナ:大沢性転換する魚の代表はクマノミでアニラオのクマノミの全種がオスからメスへのパターンですが、サイズ以外の外見上に違いはわかりません。
カクレクマノミ・クマノミ・ハマクマノミ・ハナビラクマノミ・トウアカクマノミが見れます。
ハナヒゲウツボは黒・青はオス、黄色はメスで、メスの黄色い個体は激レアで、1年に1回か2回しか見られません。
また、逆パターンのメスからオスが全種類のベラとハナダイです。
アニラオでオス・メス両方見られるのは、全部は上げきれませんがハナダイはルソンハナダイ・スミレナガハナダイ・キンギョハナダイ・メラネシアンアンティアス・ケラマハナダイ・フトモイハナダイ・アカボシハナゴイなどがいます。ベラで綺麗めなのはクジャクベラ。
雌雄同体(一人二役)と言えば、全種類のウミウシとヒラムシがこれにあたります。
ミドリイシなどのイシサンゴもこれです。
フィッシュウォッチングに持ってこいのアニラオへ是非!

ツアーのご紹介

  • アンギュラーフェアリーラス

    アンギュラーフェアリーラス

  • ウミウシ

    ウミウシ

  • ウミウシ

    ウミウシ

  • ウミウシ

    ウミウシ

カンクン

見られる魚

ブダイ(ストップライトパロットフィッシュ)

紹介者 荒木宏将

クイーンエンジェルブダイ(ベラ)は性転換する種が多くその中でも雌性先熟が多いです。
(雌性先熟とは簡単にいうと雄に生まれても雌に性転換し、初期時は全員雌。雌のうち、体の大きいものから雄に性転換し、繁殖を行うことです。通常、一匹の雄がテリトリーをつくり、その中で数匹の雌が繁殖行為を行います。一夫多妻制です)
ただ、カリブ海のストップライトパロットフィッシュはこれに加え、雄としてそのまま成熟するものもいます。(一次雄)
体色の変化をイニシャルフェーズ、ターミナルフェーズと呼んでいてターミナルフェーズの体色をもつのは、すべて雄になります。
メス①(イニシャル:赤)・オス②(後にメスに性転換 イニシャル:赤)・オス③(後もオスのまま。一次雄 イニシャル:赤')で生まれる。

  • 大きなメス①(イニシャル:赤)→オス①(ターミナル:青)に転換。
  • 一夫多妻により、オス①がテリトリーを作り繁殖を独占。
  • オス②は繁殖を行えない為、メスに性転換しオス①と繁殖
  • オス③は性転換しないので繁殖が行えない。
    ただ、赤=赤' の体色が似ているため、メスに紛れてオス①のテリトリーに入りオス①と繁殖を行うメスに対して、繁殖行為を行う。

見られる海

カンクン、コスメル、カリブ海全般

ツアーのご紹介

チューク

見られる魚

イエローバンドラス

紹介者 トレジャーズ:横田圭介

トレジャーズ一見地味に見えるベラの仲間ですが、撮影時にストロボやライトを上手に当ててあげると、一転して鮮やかな色合いが浮かび上がります。
オスは体の中央に黄色のラインがあり、メスはそれが不鮮明です。
沈船やその周りのリーフで比較的簡単に見ることができます。
画像がないので是非見に来てください。

  • チューク
  • チューク

コスラエ

  • オレンジフィンアネモネフィッシュ

    オレンジフィンアネモネフィッシュ

  • ハナビラクマノミ

    ハナビラクマノミ

  • ダスキーアネモネフィッシュ

    ダスキーアネモネフィッシュ

  • バートレットアンティアス

    バートレットアンティアス

  • ホンソメワケベラ

    ホンソメワケベラ

  • ミズジリュウキュウスズメダイとヨスジリュウキュウスズメダイ

    ミズジリュウキュウスズメダイと
    ヨスジリュウキュウスズメダイ

  • イボウミウシ

    イボウミウシ

  • ミスジアオイロウミウシ

    ミスジアオイロウミウシ

  • ヒラムシ

    ヒラムシ

見られる魚

オレンジフィンアネモネフィッシュ / ハナビラクマノミ / ダスキーアネモネフィッシュ / スリーバンドアネモネフィッシュ / バートレットアンティアス / ホンソメワケベラ / ミズジリュウキュウスズメダイ / ヨスジリュウキュウスズメダイ / ウミウシ / ヒラムシ

紹介者 コスラエ太郎(コスラエ唯一の日本人ガイド)

コスラエ唯一の日本人ガイド:コスラエ太郎オスからメスに性転換するクマノミは、コスラエの海では4種類見ることができます。その中でもオレンジフィンアネモネフィッシュはミクロネシアの代表的なクマノミで個体が大きいことが特徴です。ダスキーアネモネフィッシュはコロニー(巣)を発見しており、1ダイブで数十匹をご覧になることができます。
バートレットアンティアスは、生まれたときはみなメスで最も勇敢な個体がオスになると言われています。コスラエでは巨大な群れをなしているバートレットアンティアスを多くのポイントで見ることができます。透明度の高い海の中で、手つかずの珊瑚に舞うバートレットアンティアスの大きな群れは圧巻です。
ホンソメワケベラはお掃除係りの魚で、メスからオスに性転換します。リーフシャークをはじめ多くの魚のクリーニングフィッシュであり、ダイバーが背負うタンクをクリーニングしてくれることもあります。
白い体に黒い線が3本のミズジリュウキュウスズメダイと黒い線が4本のヨスジリュウキュウスズメダイもメスからオスに性転換します。コスラエではシュノーケリングでもご覧になることができます。
ウミウシとヒラムシは雌雄同体、つまり一人二役です。特にコスラエでは1ダイブ中に10枚以上のヒラムシを見たこともあるほど、ヒラムシをよく見かけます。海の中をヒラヒラ舞うように泳ぐことから、英語名は Spanish Dancer と言われています。

見られる海

ミクロネシア連邦コスラエ島

ツアーのご紹介

パラオ

見られる魚

オレンジフィンアネモネフィッシュ(ミクロネシアの固有種) / ハナビラクマノミ / クマノミ(普通種) / ダスキーアネモネフィッシュ(ミクロネシアの固有種)

紹介者 パシィフィックダイバーズオアシス:田村沙織

パシィフィックダイバーズオアシスオレンジフィン、ハナビラ、クマノミは比較的どのポイントで(外洋、内湾含め)も見られることが多いです。
ダスキーは外洋に生息している事が少なくな内湾のポイント、セントカーディナルで観察可能です。
観察できる水深は比較的浅く、写真派ダイバーもじっくり撮ることができます。
ごく稀に卵を産み落としている時がありますが、じっくり観察しているとオスとメスで一生懸命綺麗な水を卵に送ってやっている仕草なども見れます。
グループ内で一番大きな個体がメスと判断しやすいので、一般のダイバーさんにも判別が簡単かと思われます。

見られる海

パラオ

ツアーのご紹介

  • パラオ クマノミ

    クマノミ

  • パラオ

ボホール

見られる魚

スパンチークアネモネフィッシュ / パープルビューティー

紹介者 ノバビーチリゾート:河村佳明

ボホールはクマノミ各種が沢山生息してどこでも楽しめます。
その中でも特にお勧めはノバビーチリゾートのハウスリーフにいる「スパインチークアネモノフィュシュ」です。
沢山のクマノミの中ではレアーはクマノミで、その名の様に「頬に棘のある」のが特徴です。
又、クマノミの中で古代からいると言われています。
オス1匹とメス1匹で生息し(夫婦でペアー)、オスはカクレクマノミ似で小型で奇麗な個体です。
メスは大きく(約10 センチくらいに成長)、どす黒く獰猛でオスを守っています。
その夫婦の姿は全くフィリピン社会と同じ様で、働き者の奥さんとグウタラ亭主。
ノバビーチリゾートのハウスリーフは早朝ダイブで毎日の様に潜れますから、必見です。

ツアーのご紹介

  • スパンチーク

    スパンチーク

  • パープルビューティ

    パープルビューティ

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