今回お薦めは、サイトAという島の南側のポイント。私は最初あまり期待せずにエントリーしたが、潜水直後から、海底の不思議な様子は気になっていた。肌色のソフトコーラルがカーペットのように群棲し、所々に、緑色のナンヨウキサンゴと赤色のソフトコーラルのパッチリーフがある。そこには黄色や緑のウミシダが群棲している。そして、メラネシアンアンティアスヤキンギョハナダイが彩りを添える。まだ誰にも手を付けられたことのない真綿のような印象を覚える海底。
水深13mを進んで行くと畳2帖ほどのパッチリーフを見つけた。私が接近すると、まるで大粒の雨が降ってくるようにメラネシアンアンティアスが舞う。オレンジ色のカイメン、カラフルなウミシダ。まるで作られたテーマパークのような華やかさが海底にある。ダイバーの影響を受けていない海底で、私はこれ以上ない幸せを感じていた。エキジットした後、抑えられない興奮を、一緒に潜ったダイバー仲間と共有していた。