Ocean
一本潜り終わった船上に「サウスウエストピナクルにジンベエが出た」と連絡が入った。僕らを乗せたバンザイ号はポイントへ急行した。水中はかなり透明度が悪かった。大村さんと一緒に泳ぐ距離から推測すると5~6m見えていれば良い方か。粘って探すがやはり見当たらない。でも確かに気配は感じる。一人そろそろEXを考え始めた時、僕の視界の右端の魚群が崩れた。次の瞬間現れたのは待ちに待ったあいつだった。
Romance
ヨロイアジ?
「他の海ではなかなか見かけないと思うんですけど、タオにはなぜかいっぱいいて、今ちょうど求愛シーズンの真っ盛りなんですよ」とガイドの大村さんが話す。その魚はヨロイアジ。「ヨロイアジ……?」聞いたことがあるようで無いような名前。実際にその求愛の現場まで連れて行ってもらうと、猛スピードで行ったり来たりする影が見える。ギラギラと光る銀色のボディ。ギンガメアジの求愛などとは違い、かなりアグレッシブな激しいチェイシング。またじっくりと観察してみたい魚が増えた。