2008年4月27日~5月1日

2008年5月1日(木)

4/27/08 第1日目

位置 POINT 天候 水温
北マーレ Faru Out Side くもり 28℃

 前日からの悪天候。土砂降りの雨が降り強い風が西や南西から吹いて来る。雨は止んでいるものの暗い空にテンションも下がる。水中も空の抜けなさを写したように暗めで濁った水。潜降開始すると周りはイエローバックフュージュラーの黄色で埋められていて、暗い水中を明るく彩る。ボトムでは大きめのアオウミガメが何匹も休憩中。ダイバーの接近にゆっくりと泳ぎ始めて沖側に浅場に向かって去って行く。イソマグロが8本一列になって泳ぎ去って行く。斜面を覆うアカモンガラの群、その向こうから大きめのマダラトビエイがやって来る。


位置 POINT 天候 水温
北マーレ Lankan Reef くもり 28℃

  今シーズンずっと苦労させられて来たマンタ。ここでさっくり見ておきたい。 期待を秘めてエントリー、ちょっと流れが強い。これだとマンタ出にくいかなと思いながら3番手でクリーニングステーションに到着。ヤッパリマンタはまだ来ていない。外側のボトムに掴まって腰据えてマンタ待ち。待つ程も無く沖側からやや小さめのブラックチップが1匹、2匹3匹とものすごい勢いでこちらに向かって泳いで来て浅瀬に向かってあっと言う間に通り過ぎて行く。何かなとか考える間もなくその後ろから巨大なドラム缶のように丸々とした、ハンマーヘッドシャークがまっすぐこちらに向かって来る。体長3、まるで小型のジンベイのようなハンマーヘッド。タンク叩くとか体が動くよりも早く思わず声が出る。なんて言ってたかはまるで記憶に無いけどすっごい叫んどったよと言われた。ハンマーの余りの勢いと大きさにこっちに襲いかかって来るかと思った。幸いちょっと迂回してジュンチームと僕たちの間にしばらく考えるように止るハンマーヘッド。合図のタンクの音やベルの音。はっと何か思い出したように又もダッシュで泳ぎだすハンマーヘッド。今度は沖側に行って根沿いに泳ぎ回っている。又も小魚のように根に向かってビュンビュン泳ぎ去るブラックチップ。ここでやっと興奮も冷めて状況理解。巨大ハンマーがブラックチップを襲っている。ハンティングだ。ハンマーが戻って来なくなって大きなナポレオンがやって来た。普通なら初日の大きいナポレオンはみんなの食いつきがいいはずだけど、大ハンマーの登場の後ではみんなナポレオン無視。これ以上深場待機はできない、流されつつ浅場へ移動。南の小さめのクリーニングステーションの上で本来の目的マンタを待つ。いつもマンタの通る斜面を見下ろし、沖を見回しているとウーウーって声が後ろから聞こえる。振り向くと余りマークしてなかった浅い方の水面近くをマンタが1枚ホバーリングしている。ちょっと距離が有る。あそこにいるなってやっと確認できるぐらい。タンクを鳴らし続け他のチームを呼んでいたけど遠くて駄目だった。スーッと消えて行くマンタ。流れに乗って飛ばされながら水深を上げて行く。ここでジンベイが出てくれば1ダイブ3冠だなんてキョロキョロしてみたけどそんなに甘くない。1ダイブで2冠、十分ラッキー。もしマンタが出てなくても1匹のハンマーヘッドで十分大興奮。  残念ながら海境が悪く環礁渡りに時間を取られて初日は2本でおしまいでした。

4/28/0 第2日目

位置 POINT 天候 水温
ラスドゥー環礁 Rasdhoo Madivaru くもり 28℃

 昨日もうハンマー、しかも今までもこれからもずっとあのハンマーヘッドはすごかったってシーンを見ているから今日のハンマー探しはかなり気楽。しかも、周りに停泊しているクルーズ船は0。他のダイバーが入らないんだからやり易い。外洋で深みを目指しながら振り返ってみると人数が揃わない。他のチームにまぎれてしまったんだろうか、ドーニーの周りの水面にも誰も見えない。上向いたまま降りて行き前に向き直ってみると少し距離が有るけど幸先良くハンマーヘッド発見。でも、みんなの見える距離じゃないかな。もう一度後ろ見てるといなかったゲスト登場。ホッとして下に向き直ると真下に1匹ちょっと細身のハンマー発見。昨日のハンマーの印象が有るからかみんな小さく見える。次のハンマーはデカかった。しかも余り人を怖がらず追いかけなくても周りに何度も登場、近くを通って行く。そういえばちょっと前に壁に戻って泳いでたらマンタに鉢合わせしたよなって事でドロップの壁が見える辺りまで環礁に接近して泳いで行く。マンタはいなかったけど、ギンガメの巨大な群に出会う。

位置 POINT 天候 水温
ラスドゥー環礁 Veligandu Thila 晴れ 28℃
 
ここに来て少しづつ晴れ間がふえて太陽の光がいっぱいに降りて来る。マンタも雨期には出るって言われても、オーロラシュリンプゴビー、ドラキュラシュリンプゴビーと海底で見つかってしまうと今度はトールフィン探し。下と上は同時に見られない。みんなもそれぞれマイゴビーを探しつつ小間物ダイブ。

位置 POINT 天候 水温
アリ環礁中部 Kalhu Thila 雨 28℃

 又海峡を越えてアリ環礁に入る。南に進むに従って段々黒くなる空。ブリーフィングの最中にはついに土砂降りの雨が降り始め、一度晴れ間が見えただけにガッカリ度アップ。潜降で少し流されたから根の周りをグルッと廻りながらカレントサイドを目指す。白い体に目の上を横切り背中に繋がる黒い線、怒ったような顔のSmith’s Venomous Blennyを岩棚に見つけて囲んでみる。ホウセキキントキの群を通り過ぎて根を回り込んで流れの上手に行くとカツオやイソマグロが忙しくクマザサハナムロの群を追いかけ回す。大きいコガネシマアジが深場から根に向かって飛び込んで来る。小振りなツバメウオ達が周りの忙しさをまるで無視してノンビリ群れている。

位置 POINT 天候 水温
アリ環礁中部 Maaya Thila くもり 28℃

 今にも振りそうな暗い空。時間も遅くなって薄暗さも増す。水中は一層暗くまるでナイトダイブ。4本目だし、さっきハンティングは堪能したし、潜行したら流れの一番下手に降りてしまうし、じゃノンビリ行こう。離れ根にはスカシテンジクダイが固まっている。そばの岩の窪みではバラハタがベンテンコモンエビのクリーニングにうっとり身を任せている。もう寝ようとしてたのか岩の隙間に甲羅を押し込んでいたタイマイがダイバーの接近に慌てて岩場から抜け出そうともがいている。根の上からカスミアジの群が深場に急降下。根の上で大グレートバラクーダを探したけど他のチームに恐れを抱いて根から離れてしまったのかウチのチームだけは出会えなかった。

4/29/0 第3日目

位置 POINT 天候 水温
アリ環礁中部 Maaya Thila くもり 28℃

 相変わらず晴れない。天気の事はあきらめよう。潜り始めると見つけてって言うようにまず目に飛び込んで来たのはクダゴンベ。じっとしてれば見つからないのに。深場に落ちている大岩の手前をグレーリーフシャークが横切って行く。ちょっと見にくいけどガマンして遠くから見ていると岩の周りをグルッと廻って又手前側に出て来る。根に戻ろうとターンしていると大きめのギンガメの群が見える。少し接近したらちょっとガッカリ。群だけど個体数は少なかった。今日こそグレートバラクーダと思って少し早めに根の上に上がる。何故か水深の浅い根の上の方にクマザサハナムロがぎっしり群れていてロウニンアジやカスミアジが急がしそうに泳ぎ回っている。バラクーダが出て来ないまま時間切れ。みんなドーニーに上がる頃、真下に大グレートバラクーダ登場。今、いらないよ。

位置 POINT 天候 水温
アリ環礁中東部 Fish Head くもり 28℃

 バラクーダ見られなかった分たっぷりナポレオンを見せたいな、なんて考えながら降りて行くとイエローフィンバラクーダの群が登場。根を廻って泳ぎ続けてカレントサイドを目指している時、振り向いていると誰もいない。後方少し上にナポレオンが登場。みんなに囲まれて写真バシバシ撮られてもノンビリみんなの周りを徘徊するナポレオン。しばらく泳ぎ去っていたナポレオンは何故か又戻って来てさっきと同じように一人一人に挨拶して行く。ナポレオンと遊んですっかり時間が無くなって深度を上げつつやっと流れの上手に到着。根から離れて更に先に飛び出すとイエローバックフュージュラーの黄色一面の世界の中に。流れに乗って根のトップに帰って来るとタイマイが食事に夢中でみんなに囲まれているのも気が付かない。

位置 POINT 天候 水温
アリ環礁南西部 LhamiyarugaThila くもり 28℃

 ゆるめの流れの中、クマザサハナムロの群とその周りを徘徊する中型のイソマグロを横目に潜降して行くと紫のソフトコーラルの上にクダゴンベが乗っている。背景が変わっていい画かなとお客さん呼んだら、キャーって叫ばれた。クダゴンベが好きなのはいいけどそんなに騒いだら気付かれるよ。イエローテールジャックの群が下の方から急にやって来てアジに巻かれる。砂地に大きなマダラエイがいたけどすぐ脇に又もクダゴンベ。キャーって言うくらい好きな人はクダゴンベ見ていてください。こっちはみんなでマダラエイ囲んでいます。すぐ側の壁の穴の中にももう1匹マダラエイ発見。トップリーフではここの名前の由来の小さなサメ(子供のホワイトチップ)があちこちの岩の下の空洞で見つかる。

4/30/0 第4日目

位置 POINT 天候 水温
アリ環礁中西部 Reethi Thila 晴れ 28℃

やっと晴れた空。朝一はトップリーフのハードコーラルが美しい隠れ根。残念ながら流れはいつもと逆行。リピーターさんの為のトールフィンも有るけど逆スタートだと下が深すぎる。ちょっと悩んでドンドン流れに乗って浅めのガレ場の始まる所まで一気に抜けてトールフィンシュリンプゴビー1本縛り。ついている時は何でもうまく行く。ガレが始まってすぐに1匹発見。しかも少し浅めで泳いでいたから7~8離れた所から見つけた。見つけて自分でびっくりした。その後も順調にカップルのトールフィンを2組、単体で1匹見つけて大量ゲット。でも、1匹はすぐ引っ込むからカップルのトールフィを見せる事はとても難しい。実際見せられたのは4匹だった。晴れた朝一のレーテティラのトップリーフは色彩に満ちてとっても奇麗な珊瑚の原っぱ。最後はノンビリ浅瀬の珊瑚を鑑賞。 ジンベエサーチその1  アリ環礁の南端へしばしの移動。乾期調子良かったマーミギリエリアは南から押し寄せる波でウネウネ。何もない。発見とかカジキがジャンプとかイルカが横切るとか何にも無い。雨期のサーチエリアに移動してもヤッパリ何も無し。 苦しいサーチのスタート。

位置 POINT 天候 水温
アリ環礁南部 Ari Beach Out 晴れ 28℃

 環礁内のポイントがどこも濁り気味だったので外側のポイントに期待していたのに残念ながら一層濁った感じ。浅瀬はボートからサーチしたばかりなのでちょっとリーフから離れて沖バシリで水中ジンベイ1発狙い。さすがベテランぞろいの今日のチーム。少し浅めで横一線に並んでみんなで協力してのサーチ。しかし行けども、行けども何もでない。努力虚しく玉砕。 ジンベエサーチその2  潜っている間に他の船からの情報が入った。ディグラティラやブロークンロックのある幅の広いチャネルでジンベイが出ていたって話。今から行っても時間が経っているから無駄骨かもしれないけど、アリビーチもディグラアウトも何にも見つからないから行ってみた。ヤッパリもういなかった。また笛無し。今日はついてない。

位置 POINT 天候 水温
アリ環礁南 Digurah Out 晴れ 28℃

 空振りばかりのサーチ。なんとかここで逆転したい。ヤッパリ余り透明度の良くない中を降りて行くとなんだか珍しく深場にイエローバックフュージュラーが群れている。この辺にプランクトンが溜まっていて集まっているならジンベイもチャンスかもと期待して損した。はじめて見るシーンでびっくりしたけどサザナミトサカハギが群でフュージュラーを襲っている。それで深場に逃げて来ていたのか。気を取り直してジンベイ探し。2本目のダイブと似たような展開になって来た。少し根寄って泳ぐ。濁りのせいも有るが他のチームと少し距離が開き過ぎているようだ。時間は半ば過ぎ、ベルの音がする。先頭にいるから当然後ろに向かってダッシュ。マウルーフチームとぶつかる。こっちに向かってダッシュして来たようだ。すぐ後ろってジュンチームじゃなかったの?そのまま前進しようとするマウルーフ。ここじゃなきゃジュンチームでしょ。更に後ろにダッシュし始めた時、真正面にデッカイ顔がヌッと登場。8の大きなジンベイザメ。沖に逃げないようにジンベイの外側を並走して泳ぎながらタンクを叩く。頑張って泳いでもジンベイザメには勝てやしない。興奮をばらまいて泳ぎ去って行くジンベイザメ。  ジンベエサーチその3  もう、日は傾き海面が輝いている中、最後のサーチ。シッポの先端を水面から突き出して泳ぐジンベイを発見。みんなで飛び込んで行くが潜って行くのが早く、3人程が見られただけ、残念。

5/1/08 第5日目

位置 POINT 天候 水温
アリ環礁南 Kudarah Thila 晴れ 28℃

 すっかり天気は安定して海は穏やか。流れも穏やかでフュージュラーもイソマグロや、カスミアジも泳ぎ回るだけであまりハンティングは盛んではない。ヨスジフエダイはオーバーハングから出て来て根の上側を覆い、根が黄色く染められる。ノンビリとたっぷりの魚影を楽しむ。  ジンベエサーチその4  昨日の水面ジンベイが3人のみ成功ってことで今日は予定外の延長戦。日差しも良く、波も無く絶好のサーチ日和。ゆっくり進んで昨日水中ジンベイ遭遇エリアで黒い影がリーフの崖っぷちに上がって来た。昨日の分も思いっきりホィッスルを吹き、2階からジャンプ。ヤッパリ自分で見つけて飛ぶときは気持ちがいい。飛び込んでゆっくり接近して斑点がなんとか見える所で止ってみんなの登場を待つけどなかなか来ない。ジンベイはまるで泳いでなくてノンビリ浮いているだけに見える。昨日サーチが全然ダメだったから朝食後で油断しまくっていたのかな。でも、みんなが期待でギンギンの時って出ないからな。みんなが飛び込み始める頃殺気を感じたのかジンベイがゆっくり沈み始める。絶対楽勝と思っていたけど皆でしっかり見るには至らなかったようだ。この調子でもう一発。出るか出ないかヒレが遠くに見えたと思ったら良く見たらイルカだった。イルカの群にみんながキャー言っている時、イルカの群のそばに少し大きいシルエット。イルカだろうなと思っているとマウルーフのジンベイコール。うーんよく見ればそうかな。さすがの視力に驚く。取りあえずジャンプ。でも、ちょっと船が遠い。頑張って泳いでいると見えたと思ったらイルカ。いつの間にかイルカの群に囲まれていた。普通この辺のイルカは人から逃げるのに無視していると寄って来るものなのかな。でも、ジンベイ見つけなきゃ。イルカの群を割って突き進みやっとジンベイ発見。ここ何週間も毎週会っている子供ジンベイだった。ゆっくり水面近くを泳いで来るジンベイ。ノンビリ水面で泳ぎ回ってくれるからみんなじっくりとジンベイスノーケリングを堪能できました。

位置 POINT 天候 水温
アリ環礁南 Digurah Arch 晴れ 28℃

 後2本なのにまだこんな所にいる。天気が回復してなかったらこんなに粘れなかったな。世界一大きな魚類の直後に小さいハゼワールドへ。メインの狙いはトールフィンシュリンプゴビー。デジイチマクロに切り替えている人がいるんだからちょっとプレッシャーです。まずはドラキュラ発見。ちょっと小振りで赤線無し。またドラキュラ。時間稼ぎにオーロラ。で、ついに来た。大きめのトールフィン発見。みんなで囲んであっ引っ込んだ。次ぎ探さなきゃ、と移動してしばらく探す。振り向くと向こうでフラッシュが光っている。どうやら引っ込んだトールフィンが出て来てくれたようだ。気が楽になったのかその後もう1匹トールフィン発見。その上をモブラが泳いで行く。更にカップル発見でデジイチのゲストを呼ぶ。確認した所で引っ込まれてしまってガッカリと思ったら更にむこうにもう1匹発見。ラッキー。

位置 POINT 天候 水温
南マーレ環礁 GuraidhooCorner 晴れ 28℃

 長い環礁移動を終えて南マーレに着くともう4時過ぎ。ちょうどロウタイド過ぎでゆっくりと流れ出て来る水はニゴニゴ。濁りのお陰かムレハタタテダイがギュッと固まり群れている。今トリップ最大のイソマグロが登場。ハナダイギンポが4匹連続でみつかる。ブラックフィンバラクーダの群が深みからゆっくり上がって来て又戻って行く。岩の上にたくさん群れるコラーレバタフライ。 大物がイソマグロだけとは寂しいなと思っていた時、天使の声か悪魔の誘惑かイルカの無く声が聞こえた。どうせもう深い所にいられる訳じゃない。賭けてみよう、チャネルの中程から外へ向けて泳ぎだす。また声が、さっきより大きい鳴き声が聞こえた。頭をぐるんぐるん回して周りを見回すけど賭けには負けてしまった。


石渡 隆之
Island Safari1


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