南アフリカ視察④ケープタウン ~歴史を物語る街~

2017年6月21日(水)

 

この旅の最後に訪れたのが、アフリカ大陸で最も大航海時代の恩恵を受けた都市、”ケープタウン”。

ダーバン空港から1時間少々、世界の住みたい街ベスト5に入りつづけるという、この美しい港町に到着しました。

日本からの知名度は高いものの、いまだ遠い遠いケープタウン。

アメリカやヨーロッパから圧倒的な人気をほこるその理由をさぐろうと、

まずは街なかの小奇麗なホテルに拠点を。

 

街を見下ろすようにそびえるのは、ケープタウンの象徴 ”テーブル・マウンテン”。

街なかのホテルから車で10分、夜明けとともにテーブル・マウンテンへ。

すでに多くの人がここからの朝日を見ようと集まっています。

 

登るのも良いですが、眺めてもやはり絵になります。

右は ”ライオンズ・ヘッド”。

山の上のフェンスには、縁結びの願掛けとかで、カップルが南京錠をぶらさげていきます。

重さでワイヤーがゆるんでいました、、、。

 

 

昇る朝日がケープタウンの街を照らします。

大航海時代も、その前も、

毎朝、直接太陽に起こされる街なんだなーと、高いところから一望し実感しました。

 

朝日とは反対側、この半島の西側は、大西洋を望むクリフトン・ビーチと呼ばれる高級リゾートエリア。

西側なので、朝日はなかなか届きません。

ハリウッドスターも多く別荘を構えるエリアです。

ライオンズ・ヘッドから続く荒々しい岩盤の山並みは、「十二使徒」。

ちゃんと数えると12個以上あるのですが、キリスト教徒がほとんどのこの土地では、12という数字が好まれたようです。

 

 

 

この高級住宅街の中心、”キャンプス・ベイ”。 ヤシの木はカリフォルニアを模したとか。

 

ケープタウンから車で30分ほど走り、「ハウト湾」へ到着です。

「ハウト」とはドイツ語で「木」のこと。 開拓時代に、切り出した木材をここから船に乗せて運んだことに由来します。

「木場」「新木場」と同じですね。

ここからみんなでワイワイと船に乗り、「ドイカー島」へ。

約10分で到着です。

みんなが何を眺めているのかというと、

 

オットセイでした。

 

この島はオットセイとカモメの聖域に指定されていて、船をつけたり上陸したりは禁止されています。

 

 

とても小さい島なうえ、風下にまわるとオットセイやカモメの野性味あふれる香りが届くので、船からゆっくり見させてもらえるだけで十分です。

 

 

ゆっくり島の周りを移動し、港へ戻ります。 トータル40分ほど。

 

 

「ドラムビート2号」。 今回は100人くらい乗っていました。

 

 

ただいまハウト湾。 初冬の風のある日で、みんな厚着でした。

 

 

陽気なパフォーマーのお出迎え。

 

「ロングビーチ」と呼ばれる、キレイな海岸線。

この辺には、ロングビーチという名前のキレイな海岸線がいくつも点在します。

 

40分ほど車を走らせ、「ボルダーズ・ビーチ」へ。

みんなが何を見守っているのかというと、

 

 

ペンペンです!

 

 

「ケープ・ペンギン」と呼ばれる小型のペンギンが生息しています。

英名は「アフリカ・ペンギン」。 おそらく、ケープ地方(このあたり、ケープタウンのある半島)の人たちが、勝手にケープ・ペンギンと呼んだのでしょう。

 

声はロバに似ていることから、「ジャッカス・ペンギン」とも呼ばれます。

 

そもそも、ロバの声が思い出せないのですが、日本人には馴染みがないのですね。

どこの国の人が最初に

「ロバの声にそっくりだ」 だとか、もしくは

「ロバかと思った」 と言ったのか分かりませんが、きっと身近にロバがいたことがある人なのでしょう。

さらに、まわりの多くの人たちも、「似てる」と認めたのでしょう。

きっと、大航海時代にはロバを乗せている船もあって、そこのクルーか偉い人がそう呼んだのではないでしょうか。

気になって妄想が止まりません。

 

一匹一匹に、しっかり個性を感じました。

 

 

群れるわりに、協調性のない生き物だなーと感じたのですが、

 

さすがに親子は仲良しです。

 

 

近くに咲いていた、サボテンの仲間です。

 

アフリカ先住民族「ズールー族」は、自然に関して様々な言い伝えや神話を持ちます。

この花は昔は鳥だったそうです。 まんまですね。

何かの実を食べたとかで神さまに怒られて、動けなくされたとか。 ありがちですね。

 

 

お昼は、ペンギンのビーチ横にあるレストランへ。

 

イカやエビ、やはりシーフードがおいしい。

ドライバーは横でとり肉を食べていたのですが、いったいどの鳥でしょう、、、。

 

 

そしてそして、やってきました、”Cape of Good Hope”。

喜望峰です。(喜望峰自然保護区)

嵐でよく船が沈む海域だったため、Cape of Storm と呼ばれていたのですが、ヴァスコ・ダ・ガマのインド洋航路発見を記念して名前を変えたとか、現地でもいろいろな説があります。

 

以前ケニアで聞いた、

「ヨーロッパからインド洋への航海はたいへん困難なものだったが、このアフリカ大陸の先端の灯りが見えたとき、船乗りたちは安堵の歓喜をあげたものだ。」

という説が好きです。

 

車でちょっとだけ移動し、アフリカ大陸の先端で光る、喜望の灯台へ登ります。

あの頂上へ登ります。

えーーーー、、、、、。

 

 

“The Flying Dutchman”

ケーブルカーがありました。

灯台のふもとまでは、この「フライング・ダッチマン」という、

この海域で目撃談があったという、オランダの不吉な幽霊船の名前をもつケーブルカーで上がります。

えーーーーー、、、。

私も一応、船乗りなので、縁起悪いのはご法度なのですが、、、。

でも歩きたくないので、乗ります。

 

 

上に見えるのが、”Light House”、灯台です。

天気はいいし、花はキレイだし、素晴らしいハイキング日和です。

 

 

“Look Out Poit” と呼ばれる、この灯台。 さぞ眺めが良いのでしょう。

 

 

はい、到着!

ここが半島の先端というのがよく分かります。

左が大西洋。

右側は “False Bay” と呼ばれる大きな湾で、湾と言っても大きすぎて対岸なんかは見えません。

 

 

ここは大西洋でありながらインド洋からの海流もぶつかり、ときに大渦を巻くこともあります。

オランダの幽霊船フライング・ダッチマンもあながち伝説ではないかもしれませんね。

下に見えるビーチ(ディアス・ビーチ)の先が喜望峰です。

 

 

フライングダッチマンでふもとへ。

お店の上には様々な色の国旗がはためきます。

さすがアフリカ、見たことがなかった国旗もちらほら。

 

南緯34°  東経18° ということですね。

 

本日の視察はここまでです。 明日は、ワイナリー!

 

 

    Z Z Z Z Z……

 

 

ということで、意気揚々と早起きし、ワイナリーへ!!

今日は嵐らしく、車の窓も泥で汚れていますが、キレイな道です。

両側はカシの木でしょうか。

 

 

 

恐竜、、、!!

博物館、、、??

 

 

いえ、ダチョウ牧場です。

ワイナリーに行くには朝早すぎるので、道中ダチョウに会いに行くことに。

ケープタウンから1時間ほど内陸に入った、KAROO(カルー)にある、

OUDTSHOORN OSTRICH FARM (オウツフルーン・オーストリッチ・ファーム)です。 

オウツフルーンと読むドイツの名前だと思うのですが、この広い牧場にはダチョウ(オーストリッチ)が200羽ほど放し飼いにされています。

 

 

ガイドさんがドヤ顔で踏んづけているのが、オーストリッチの卵です。

150kgの重さにも耐えるほど頑丈なのだとか。

ダチョウという呼び方はどことなく間抜けな生き物のように聞こえてしまいますが、オーストリッチというのは響きがかっこいいですね。

 

 

はじめは素手で餌をやってみせてくれたのですが、真似してみるとけっこう痛い、、、。

気づけばガイドさんも手渡しはやめたようです。

 

 

ダチョウの背中に餌を乗せて、ダチョウを困らせるという遊びです。

 

 

子供のオーストリッチです。

なんと、足の指が2本しかありません。

ダチョウはみんなそうなのです。

 

 

若いオーストリッチたちです。

 

 

 

キリンや馬もそうですが、外敵も発見しやすいよう大きく発達した目が良く見えて、でも砂ボコリの舞いやすい土地に住むとまつ毛が長くなるのでしょうか。

 

 

人間みたいにぼーっと口を開けているオーストリッチは1羽も見かけませんでした。

 

 

ダチョウに関して、1羽という数え方は合っているのでしょうか。

 

 

 

はい、ついに来ましたワイナリー!

ZEVENWACHT (ゼーベンバッハ)というワイナリーです。

一瞬の土砂降りで、外観は撮ることができません。

 

 

 

4種のワインと4種のチーズで、500円くらいだったと思います。 白ワイン2・赤ワイン2

けっこう飲んでから、一応撮りました。

 

 

 

ワインやチーズの説明をしてからドバドバとついでくれます。

 

 

もちろん販売もしていますし、

 

 

ステキなレストランもあります。

 

 

日本でも人気の南アフリカワイン、南アフリカの人たちも安くて種類豊富なこの国のワインが大好きです。

 

大航海時代以降、ヨーロッパの国々から様々な文明と人が集まり、貿易に最適のこの国は、アフリカ大陸内でもダントツの、うなぎ登りの成長を遂げてきました。

先住民たちの知恵と、ヨーロッパ大陸の知恵がぶつかり続けながら独自の成長を遂げた大国。

自然も街も、食事もお酒も、すべて知ろうとすればきりがない、アフリカ大陸と同じくらい懐の大きな南アフリカでした。

 

長らくお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

      WTP 的場

 

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