水中カメラマンの、ボホールはみだし撮影記

2005年2月24日(木)

こんにちは。雑誌などで海の写真を撮っているカメラマンの瀬戸口です。
今回は月刊『ダイビングワールド』2005年2月号の撮影でボホールへ行ってきました。
ギンガメアジやバラクーダ、トウアカクマノミ、カニハゼなど、今改めて振り返ってみると、ボホールの海って、なんだかもの凄く生き物が濃いんですよね。例えば、バリカサグのフィッシュサンクチュアリに潜っていると、ドロップオフの壁にきれいなヤギが生えてたりします。
あまりにも美しいから、写真を撮ろうとするのだけれど、泳いだままじゃブレちゃうから身体を安定させるために、どこか手や足を置ける場所を探すんです。でも、それが無いからビックリしました。どこの海だって指先を着くぐらいのスペースはどこかにあるものですが、バリカサグの海はカメラマンにそんな狭いスペースも与えてくれませんでした。
サンゴはもちろん、トサカやカイメン、ホヤなど、見事なまでに壁を覆っているんです。手を近づけると、ピピッと小さなハゼやエビが慌てて逃げるから、あぁ、こんなところにも生き物が住んでいるんだなぁって感心するほどです。つい大きな群れやレアな魚に目が行きがちですが、ボホールではそんな”生命の濃さ”を感じながら潜ると、ダイバーであることにきっと幸せを感じると思います。

ノバビーチクラブのハウスリーフだって、いろいろな生き物がいます。水深が浅くて、時間を気にしないで潜れるので、これにはハマりました。トータルで5~6 本は潜ったと思いますが、ダイブタイムは全て1時間を越えていました。それでもエアはまだたくさん残っていて、フィルムアウトしてやむなくエグジットした、というパターンです。

魚の写真は『ダイビングワールド』2005年2月号を見ていただくとして、ここでは、ボホールで見かけた人たちを中心に、雑誌やHPに載らなかったスナップを紹介します。ボホールって、のんびりしていて、陸もいい感じでした。

セブのホテルから港まで送ってくれたWeの現地係員サン。名前は忘れたけど(ゴメン)、片言の日本語ながら、きちんと説明してよく面倒を見てくれました。写真はオーシャンジェットのチケットを取ってくれたところをパチリ!


タグビラランの港に着くと、黄色い制服を着たポーターの人たちが船に乗り込んできたので、真っ先につかまえて荷物をお願いしました。船から運び出して、こうして台車に乗せて、100m以上もガラガラと転がして、迎えに来た送迎車まで積み込んでくれます。それでお礼に50ペソつまり100円を渡したら笑顔が返ってくるのだから、このシステムは大きな荷物を持っている人にはありがたい。


ノバビーチクラブのオーナー河村さんが迎えに来てくれました。ピカピカの黄色いジプニーがイカスでしょう?


ダイビングガイドのアミンが飼っているシェパードは忠犬ハチ公も真っ青のよくできた犬です。朝こうしてご主人様を海辺で見送り、2ボートを終えてビーチに帰ってくると、ちゃんと海でお出迎えをするのです。待ちきれなくて水に飛び込んで犬カキする姿がイジらしくて、なんだか目頭を熱くさせます。


ダイバーが使うはずのイカダも、ほらこのとおり、オフは格好の子どもたちの遊び場になっています。水深が大人の胸近くまであるというのに、ローカルの子どもたちは動じません。さすがですね。


バリカサグ名物のお土産おばさん。今日は3人で登場です。バリカサグで潜っていると、小舟で近づいてきて、いつの間にかダイビングボートの上に乗って”お店”を広げています。「やすいよ~」とか、片言の日本語も知っていて、ああだこうだいいながら、値段交渉をして、ネックレスと携帯ストラップを合わせて 300ペソで買いました。あれっ? 高かったかな?


アロナビーチへ行くと道端にトライシクルが止まっていました。屋根付きのオートバイで、なんだかサイドカーのような形です。ここではタクシー代わりに使われています。それぞれに車体がデコレーションされていて、違いを見て回るのもおもしろいです。パングラオ島内を移動するのにはちょうどいい乗り物です。


バーで酔いつぶれていた(?)犬。まったく、朝だというのにッ、というのは冗談で、すやすやと気持ちよさそうに寝ています。アロナビーチは夜に行ったほうがおもしろいと思います。でも、くれぐれもこの犬のようにならないでくださいね。


道端でフルーツや野菜を売っています。パパイヤがおいしくて、つい足が止まってしまいます。


サリサリストアのネエネエに「きれいだから撮らせてっ」と口説いて、パチリ! 通りに面した3坪ショップには食べ物から雑貨まで所狭しと並べられています。フィリピン版のコンビニといったところでしょうか。買い物するには便利で、ビールも飲めます。


ロボック川の”川ガキ”。日本ではもうあまり見なくなってしまいましたが、ボホールではまだまだ健在です。カメラを向けると、岩の上からジャンプを3回もしてくれました。でも最後はお腹を打ったみたいで、ちょっと痛そうにしていたけど……このジャンプじゃぁ、仕方ないか。


でも、そんなことではヘコたれないのがボホールの”川ガキ”です。この余裕の表情を見てください。人なつこくて、元気で明るくて、子どもらしくて好感が持てます。いい光景を見せてもらいました。ロボック川の川下りでは、岸辺に住む人たちの生活を垣間見ることもできます。


川下りのボートを操船してくれたニイニイも地元の出身。子どもの頃から遊んでいる川だから、とても詳しくて、舵裁きも抜群でした。時にはこんな小技を使って船の向きを変えるんですね。お見事!


日本の子どもが自転車に乗るような感覚で、ロボック川の子どもたちはボートを漕いでいるのでしょう。こうして小さいころから遊んでいるうちに訓練されているのです。ボホールには、海には海の、川には川で遊ぶ子どもたちがいました。


そろそろ川下りも終わりというころに、ヤシの木のロープで”ターザン”している子どもに会いました。ブ~ン、ブ~ンと勢いを付けて、そのまま川へボッチャ~ン! そのすぐ脇ではお父さんとお母さんが川で洗濯をしていました。なんてのどかな光景なんだろう。


川下りのボート乗り場に、ちょっとしたミニ動物園があって、そこにターシャがいました。中に入ると木にとまっている可愛いターシャの姿を見ることができます。売店にはこんなお土産もあって、ターシャはボホールのアイドルでした。


帰りのタグビララン港で高速艇のチェックインを済ませると、荷物の超過料金を払いました。この係りのおじさんがどこかへ散歩していたようで、わざわざポーターが呼びに行ってくれました。フィリピンでもボホールの人たちは、どこかのんびりとしてお人好しのように思えます。結局超過料金は1kgオーバーあたり 7ペソで、160ペソほど支払いました。320円ほどです。


復路のタグビララン~セブ間は、往路とは違うスーパーキャットという高速艇に乗ります。フィリピンではスーパーカットと発音されています。所要時間は約1 時間30分で同じです。セブ港に着くと、ここでもポーターが船に乗り込んでくるので、お願いしました。すると一人で荷物を2個持ち上げて、混雑した通路を並びながら出口に向かって行きました。荷物の総重量は40kgです。細い身体なのに力持ちです。


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