プーケット・スミランダイブクルーズ from ダイブアジア

2005年11月15日(火)

2005年11月12日~15日 スミランクルーズ体験レポート

11月から気候・透明度・大物遭遇率もベストシーズンに突入する、タイのスミランクルーズ、DIVE ASIA I号に乗船してきました。
基本ルートは、プーケット空港から南へ車で約1時間、Chalong Bayよりクルーズに乗船、スミラン諸島、コ・ボン、コタチャイ、リチュリュー ロック、スリンを周る4日間のクルーズ日程です。

ベストシーズン・コンディションに最大14本潜れる!日本人スタッフのケアも万全!食事も美味しい!とダイバーにはウキウキな条件ばかりなのですが、出発前に、ちょっと気になる、知りたい点を挙げるなら、やはり、昨年のスマトラ沖地震の影響ですよね。初日・2日目のスミラン諸島は、TVで繰り返し放映されていたカオラックからもデイトリップで行きやすい距離ですし、どの程度の影響を受け、今はどうなんだろう?と。
結論からお伝えしますと、実際、9つの島からなるスミラン諸島のNO.4/5/7/8/9に潜ってみて、エントリーした途端に感動しました。美しい!何でこんな岩が奇妙な形なの?あっ固有種だ!って事ばかりで頭が一杯になりました。


クルーズのスタッフによると、ツナミは南北に連なる9つの島の西側から来ましたが、(当然、陸地とは逆側です)元々、外海に面している島の西側はカレントも強く、珊瑚やシーファン等もあまり生息していない場所なのだそうです。人気のダイビングポイントは、島と島、岩の間や、島の東側に多くあり、ツナミの影響は心配しないでください、珊瑚もお魚達も元気です!始めに、ダイバーの皆様に、この点を声を大にしてご報告させていただきたいと思います。そして、下船後に滞在するパトンの街も完全復活しておりました。水位が上がって浸水しましたが、建物が流されるような状態ではなく、一時休業していたホテルやお店も通常営業、夜の街も24時過ぎまで大賑わいです。
だけど、特に若くて凛々しい日本男児の皆さんは、オカマさん達の不意打ちタックルには、ちょっと気をつけてねとの現地情報あり。(←現地スタッフ複数の経験談より)



体験日記ダイジェスト
11月12日
昨夜到着後、夜20時頃に出航し、寝ている間にスミラン到着だぞ~。多分一番早起きなのは私!と気合をいれて朝一番、デッキに走り出ました。
始めに目に飛び込んできたのは、なんとも不思議に見える岩肌の島々。緑に見えない部分は、妙に直線的に切り出されたように見えるグレーの奇岩群で、海底はどんな風なの?と期待をそそります。
南から北上するルートに沿って、スミランの9つの島には、各名前の他にNo.1から9までの番号がつけられており、番号で呼ぶ方が一般的らしい。ちなみに、ボートスタッフはNo.4のことをバードアイランドと呼び、なぜなら鳥が多いから。とっても南国的なネーミング。

1本目です!No.7の東側 East of Eden。島側から緩やかなスロープが続き、北から南へカレントにのってドリフト。エントリーして、まず印象的だったのは、船上からも目にしていた奇岩です。
海底でも人造建築物ではないのに、不思議と直線的なグレーの岩が横たわっています。形は長方形のものが多く、ゴツゴツしていない、鋭い印象を与えるフラットなもので、大きなもので30m以上もあるでしょうか。他のエリアで、似たような地形を見た事がなったので、何故???不思議だと感じます。
水温は29度、透明度は20~25M。寒がりの私でも3mmのロングくらいで十分だなんて考えているうちに、インド洋、アンダマン海の固有種達が続々と飛び込んできました。スカンクアネモネ、アンダマンスイートリップ、インディアントリガー、イエローバックフュージュラー...etcetc、嬉しいっっっと、とにかく1本目が終了してしまったようです。

2本目はNo.4、バードアイランドの南側。ココでは固有種のブラックピラミッドバタフライの群れに遭遇。
15cmくらいで、白黒のはっきりしたコントラストがかわいかったなぁ。名前が長いので、通称ブラピちゃん。

今回のクルーズでは初日にナイトダイブ(4本目)、No.8 Beacon Reefをやりました。
なんか、だんだんライトの光が弱くなってるような、、、なんて初歩的なアクシデントにもめげず、サンゴテッポーエビ激写。浮上すると満月(翌日は大潮でした)の光が、真っ黒なとても静かな水面に映っていて、暫らくこの時間を楽しんでいたいような気持ちになりました。


11月13日
2日目の1本目は、No.9 Rockey Point。巨岩が固まっていて、その間を通過します。
岩の根元にシーファンが多いからというブリーフィングのとおり、大きなシーファンが目立ちます。他は、サンゴとグルーパー系が多かったよう。浮上する直前に、ガイドのイントラさんが指でシーファンを示していました。水中では、シーファンでしょ?としか思わず、注意力が散漫だったことに反省。
実は、2005年の1~3月に実施されたボランティアクルーズの皆さんが立て直してくれたシーファンだったのです。

冒頭の説明のように、ツナミで影響を受けたスミラン諸島の西側のポイントは、元々カレントが強く、幸い、サンゴやシーファンが多く生息するエリアでは無いのですが、浮上ポイントは岩の南西に位置し、その為、あまり多くは無かった修復ポイントの1つだったのです。倒れたシ-ファンを立て直して、根をクサビで固定、打ち付けたりして、その後の生育状況を見守る為に、タグが付けられたそうです。近くで観察できなかったのは残念ですが、色も変わっておらず、つまり、健康に生きているってことですよね。
ボランティアクルーズの皆さん、ありがとう~!興味のある方は、是非、観察してきてください。

1本目でスミランの状況を皆様にお伝えするんだという使命を見逃し、反省&落ち込みながら朝食をとっている間に、ボートはスミランを離れ、コ・ボンへ向けてGO。

さあ、コ・ボンで2本目。島へ向かって北から南へスロープに沿って。ここは、とにかく群生するエダサンゴが美しい!につきます。砂地からエダサンゴ群へ、所々にソフトコーラル、そしてその上部は10M位なのですが、その上に、奇岩が頭をだしているという構図を下から眺めていました。昨夜は一瞬雨が止んだものの、シーズン中、めったに降らないという雨が続いていたところに晴れ間が除き、急に視界が明るくなりました。ピンクや紫、白のソフトコーラルに光がキラキラとあたり、エダサンゴの間をすり抜ける小魚達や、インディアンスモークエンゼルフィッシュ、スカンクアネモネ、ネズミフグまで、全て輝いてるなぁと、スロープの下から見上げていました。

3本目はさらに北上してコ タチャイへ。他のグループがマンタを見たと聞きつつ、そろそろ、マンタとかレオパードシャークにも遭いたいなぁなどと考えながら。あんまり、マンタに遭いたいという念が強すぎるとダメなのでしょうか?体は青いけど“キバが赤いぞアカモンガラ”、向かってきたら引き付けて横からパンチだぞって教えてもらっていたアカモンガラがいたので身構えたら、素通りされました。あれっ?

この日の最後は、スリン。このクルーズでもツナミ後にエントリーするのは今シーズン初だそう。ラッキー。透明度は多少落ちて15Mくらい、砂地でオーロラパートナーゴビー発見。マヌケヤッコも撮れて良かった!


11月14日
クルーズのルートで最北のスリンを周り、戻るルートへ。前日に大潮の影響で、行き過ぎたリチュリューロックへトライです。リチュリューといえば、ジンベイとマンタを期待してしまうけど、ちょっと時期が早いのかな。リチュリューロックは鮮やかなサンゴ、ソフトコーラルやジンベイのポイントとして、写真派のダイバーには特に人気ですが、干潮時に岩の頭が1M位出るだけ、通常は水面下だってご存知でした?

本日は朝から快晴。サーフェイスの水温は、なんと32度もあり、他のポイントと比べると少しカレントが強めです。
岩にイソギンチャクが多く、2種のイソギンチャクにのみ棲むという固有種のトマトアネモネフィッシュ、通称トマトちゃんはキュートでした。それから、ブラックフィンバラクーダ、グレートバラクーダの群れ等。

午後は、再び、コ・タチャタイ、コ・ボンへ。レオパードシャークが見たくて、コ・タチャイではサーチに集中して進むも惨敗。でも、岩と岩の間にある平たい岩盤の上では、頑張ってカレントに向かっている、ツバメウオの大群を見て和みました。写真も絵になりそう。


11月15日
スミランに戻ってきました。翌日の夜便で帰国予定なので、残りはあと2本だけ。

No.5のAnita‘s Reefは砂地で、ガーデンイールやハゼ系が好きな方には特にお薦めです。

最後のBoulder CityはNo.2と3寄りの中間地点ほどにあり、ここも海底の直線的な巨岩が目に付くポイントです。レオパードシャークは見れなかったけど、浮上前にカンムリブダイが緩々と足元を周っていました。あっという間でした。。。。。


感想
ツナミの影響は殆どないからと聞いていて参加したスミランのクルーズでしたが、実際に現地の詳しい情報を具体的に聞いて、見て、心配することなんて無いと実感しました。
全体的にカレントはあまり無いので、ビギナーでも十分に楽しめ、ベテランダイバーもワイド・マクロ派共に、そして固有種の多さにも感激するであろうクルーズとして、自信を持ってお薦めしたいです。

私が特にインパクトを受けたのは、奇岩と、群生するエダサンゴでした。ちなみに、奇岩のできた地形・地質的な要因を聞いたところ、本格的な調査はされていないらしく、ダイバーも観光局も詳しい情報が無いのだそうで、そこがまた不思議を知りたい気持ちにさせると思いませんか。

クルーズは、船尾から直接のエントリー、エキジットはフィンを脱いでステップを上がると、ボートスタッフがヘルプしてくれて楽ですし、スタッフも皆フレンドリーです。

食事は、ボートに上がる度に、タイ料理(私はパッタイやラーメンのような麺類が好きでした)、インターナショナル料理を始め、シーフード、フルーツ等が用意されていて、野菜も多く、日本人の味覚にも合うと思います。

常駐している日本人スタッフの真さんは、とっても勉強家で元気!なイントラさんで、大変お世話になりました。終始、“水飲んでください”とケアもおこたらず、黄色くても“死んだら赤いぞアカヒメジ”の2言を連呼していましたが、同じクルーズに参加したMさんは、最後に“オジサンみたいな魚”って、それがアカヒメジですよ~。それに、お恥ずかしながらハゼ系に余り興味を示さなさい無知な私にも、根気良く教えてくれて、本当にありがとう。
ちなみに、この写真にもご協力いただきましたMさんのご主人Oさんは、熱帯魚暦20年、水槽を最大50個も観察している魚KING。ひたすら尊敬いたしました。魚とお酒?の知識が本当に素晴しい、BIGな方でした。

クルーズ後に宿泊するパトンの街は夜中まで活気があり、注意するにこしたことはありませんが、比較的安全で、自由に食事や買い物、マッサージを楽しんでいただけるのも魅力だと思います。

今回は、前半、めったに降らない雨に遭い、逆に超ラッキー(透明度や水温に影響はありませんでした)、最後まで私はいつも幸運だから絶対大丈夫とマインドコントロールしていた、お目当てのサメ類、マンタ、ジンベイには遭えませんでしたが、数々の固有種を見て詳しい説明をしていただき、大満足、やっぱり、海って、ダイビングって、ダイバー最高!と感じました。

お世話になった皆様、本当にありがとうございました。もっと勉強して、またリベンジに行きたいと思います。そして、このレポートを読んでいただいているダイバーの皆様、是非、アンダマン海、スミランクルーズをDIVE ASIAでご参加、お楽しみください



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