NOVIA MIA DIVE CRUISE REPORT (2006年10月7日~11日)

2006年10月11日(水)

■ 10月7日
ラ・パスの夜、マリーナに到着して桟橋を歩いていくと、目前に2本のマストを夜空に突き出している帆船風ボートのノビア・ミア号が登場し、その美しい外見に思わず歓声があがります。客室に入ると、タオルなどのアメニティと一緒に帽子(キャップ)とクルーズの記念品のペリカンの置物が私たちを待っています。ノビア・ミアとは「私の恋人」という意味だということで、なんだか、映画のような夢の世界に潜り込んだ気がします。
 ダイニング・デッキのテーブルに登場した夕食は、メキシコ風に炒めたエビやサラダで、ビールを飲みながらクルーズ仲間と楽しくおしゃべりをします。ラ・パスの海って、どんな感じなのかしら?と期待に胸を膨らませながら眠りにつきます。
■ 10月8日

早朝、船が海へと航海を始めました。マリーナを出るとすぐにイルカが2頭登場して、ノビア・ミア号の出航を歓迎してくれています。
8:00に朝食をとった後、1本目のダイビングをファン・ミンという沈船ポイントで行います。エントリー後、沈船を外側から眺めて周り、沈船の中も探検してまわります。中国の密輸船だったこの沈船も、今ではフレンドリーなカメやキングエンゼルフィッシュ、パシフィック・クレオレフィッシュやメキシカン・バラクーダの住処となっています。

2本目、3本目のダイビングはロス・イスロテスでアシカダイビング。小さな洞穴で遊んでいるアシカの子供たちが手を甘噛みしてくれて大感激です。他にも海面に7、8頭のアシカたちがのんびりと漂っていて、その周囲をアシカのボスが見回りしている様子をじっくり観察します。アシカから離れて砂地へ目を向けると、ブルースポティッド・ジョーフィッシュもいて、ファンタスティックなラ・パスの海を楽しみます。

夢のような時間を過ごした後、ダイニング・デッキの夕食に登場したのはチョコラタという貝。ハマグリよりちょっと大きめの2枚貝で、その味に舌鼓を打ちます。
食後にコーヒーを頼むと、なんと一緒にさっぱりとしたチーズケーキが出てきました。BGMのかかっているノビア・ミア号のウッドデッキで夜風に頬をなでられながらケーキとコーヒーを楽しんでいると、「優雅な大人の休日」気分に包まれます。
■ 10月9日

8:00 の朝食の後、1本目のダイビングは外洋の大物ポイントであるエル・バホに潜ります。ハンマーヘッドを狙って中層を泳いでいると、スマの大群やパシフィック・クレオレフィッシュの群れなど、とにかくたくさんの魚群に出会います。でも、残念ながらハンマーヘッドには出会えません。

パパイヤ、バナナ、メロンなどのフルーツを食べた後、2本目もエル・バホでダイビングします。もちろんハンマーヘッドを狙ってのエントリーなのですが、私たちの前に登場したのは大きなマンタです!ぐるりと私たちの右手を旋回しながら青い海の彼方へと飛び去っていきます。今回もハンマーヘッドには会えませんでしたが、にんまり顔でノビア・ミア号へ戻ります。

昼食にはホタテの貝柱に似た貝がずらりと並び、豊富な魚介類でお腹がいっぱいになります。そのとき、デッキ後方で何かが飛び跳ねました。モブラ(ヒメイトマキエイ)です!しかも2回転宙返り!ラ・パスの海ってなんて面白いのでしょう!

3本目は再びロス・イスロテスにエントリーします。アシカと遊ぼうと海中の穴を覘いてみますが、アシカたちが見当たりません。風と波が出てきたので、島に上がってしまったようです。そこで私たちはロス・イスロテス周辺を海中散歩します。イエローテイル・サージョンフィッシュやコルテス・チューブ(イスズミ)の群れが岩場の藻をつつきながら移動していく様子に癒されます。

エグジットすると風と波がさらに強まっていたので、今日の4本目のダイビングは中止になり、最終日の2ダイブを3ダイブにするという予定変更が伝えられ、風を避けて、エスピリトゥ・サント島のパルティダで停泊します。夕食には鮭のマリネ、サケフレークに白いご飯が綺麗に盛り付けられて食卓に並び、思わず「おかわり!」と叫びたくなってしまいます。
しかし、おかわりをするとデザートのケーキが入りません。今日のデザートはシナモンパウダーやラズベリーソースがかかったチーズケーキです。コーヒーもドリップで入れられ、贅沢気分に浸ります。

夜はクルーズ仲間たちとテキーラの飲み方について、盛り上がります。ストレートのテキーラをショットグラスに入れ、手元にはライムと塩を用意して、交互にちびちびと楽しんでいると、BGMがイーグルスのホテル・カリフォルニアに変わります。だんだんと心地よく酔いが回ってきて、最後にはワンショットをぐいっと空けて、ベッドに入ります。ちょっと、飲みすぎてしまったかしら?
■ 10月10日

朝起きると、ラス・アニマスに向けての北上が始まっていました。空はスカッと快晴、左手にサン・ホセ島、右手にコルテス海、視界には私たち以外の船は見当たらず、「この世界に私たち、僕たちだけ」というような秘境気分が湧いてきます。ラス・アニマスを前方に見ながら船首に立つと足元を海面が飛んで行き、冒険気分がさらに高まります。

朝食後、1本目のダイビングはラス・アニマスのピナクロスにギンガメアジの群れを見にエントリーします。ギンガメアジの大きな群れも圧巻ですが、その群れの中を泳ぐギャフトップセイル・ポンパノの美しい姿にも目をひかれます。ギンガメアジの1個体があまりにも大きいので、エグジット後に思わず「あれ、ギンガメアジなんですか?」と聞いてしまいます。

2本目もギンガメアジを見にピナクロスにエントリーします。今回も20分以上ギンガメアジの群れを楽しんだ後、浅瀬に群れるブラントヘッド・トリガーフィッシュを見ながら安全停止をしてエグジットします。

昼食後の3本目はラス・アニマスの洞窟ポイント、ケイヴにエントリー。砂地にはコルテス・ガーデンイールの群れやブルースポティッド・ジョーフィッシュのコロニーがあり、洞窟の入り口でウミウシを見つけます。洞窟の中には大きなロブスターがたくさんいて、思わず舌なめずりしてしまいます。

船でクッキーやお菓子を食べた後、4本目はアシカのファミリーが住んでいるラス・アニマスのピエドラ・ノルテに潜ります。夕日が差し込む中、アシカたちがこちらを覗いながら泳いでいるのをじっくり眺めていると、1匹のアシカがすーっと私たちの近くまで降りてきます。ガイドが送った合図に1匹のアシカガ興味を示して遊びにきたのです。ガイドがアシカとアイコンタクトをとりながら、海中で縦横にダイナミックな回転運動をすると、アシカも面白がって回転運動をします。数人のゲストが回転運動にチャレンジしてみると、引き続きアシカとダイナミックにたわむれることができ、「私とアシカと気持ちが通じ合った」気分で胸が一杯になります。

さすがに海中での回転運動は疲れますが、エグジット後はおいしい夕食とビールで空腹を満たし、今夜もケーキとコーヒーで優雅な大人の休日気分に浸った後、船内のダイニングテーブルで、ゲストの1人が撮った今回のクルーズのDVDを見て楽しみます。明日が最終日だなんて、とても残念です。
■ 10月11日

クルーズ最後の本日は朝食前に、モブラを狙ってプンタ・ロボにエントリーします。
イソバナの間にシザーテイル・ダムゼルフィッシュやツノダシを見ながら砂地の中層に移動してモブラを待ちますが、今回は残念ながら海中では会えずにエグジットとなります。

朝食後はエル・フェリーという沈船ポイントに潜ります。ハリセンボンハウスと化している沈船で、ガイドがハリセンボンをおびき寄せたりして遊びます。ネズミフグに似たスポティッド・ポークパインフィッシュもたくさんいて、逃げるどころか近寄ってきます。アカヒメジに似たメキシカンゴートフィッシュも大量に群れているので、思わず群れの中に停止して、「私も魚の群れの一部」気分を楽しみます。無数のコーラルホークフィッシュ(ヒメゴンベ)に混じってクダゴンベも住んでいて、ゲストの1人は24匹も見つけて、大満足です。

3本目はハードコーラルのあるスワニー・リーフで潜るのですが、その前にノビア・ミア号の船首(高さ約5m)から海に飛び込んで船の脇の梯子から上がる遊びで盛り上がり、「大人の休日気分」から「友達だけで行った初めての旅行気分」にムードが変わってきます。スワニー・リーフではコルテス・ガーデンイールをじっくり観察した後、リーフ周辺をふわふわと散策します。リーフ周辺の砂地ではあちらこちらで、体色が紫に変わったパナミック・サージャント・メイジャー(オヤビッチャ似)が紫の卵を守っていて、その卵を狙ってたくさんの魚たちが集まってきています。シグナル・ブレニーがガイドの見せる鏡に反応して背びれを立てたり、海底の砂地に寝ているアシカを眺めたり、ラ・パス最後のダイビングをたっぷり楽しみます。

昼食後はいよいよ、今回のクルーズの最後の目玉である、ジンベエ・スノーケリングをするためにラ・パス湾に戻ります。1艇の小型ボートに乗り換えるとすぐに、1匹のジンベエザメを発見しました!みんなで次々に飛び込みますが、ジンベエザメが移動し始めたので、数人が脱落します。ボートで脱落したゲストを回収していると、なんとボートのすぐ脇の海面に何かが見えます。あっ!モブラの群れです!えっ!?でもあの大きなヒレは何!?モブラに続いてコバンザメを背中に2匹連れた大きなマンタも登場です。さらにその後方にはもう1匹のジンベエザメの背びれが見えます!1匹目のジンベエザメについていっているゲストもいれば、マンタ&ジンベエザメを見に行っているゲストもいて、海上は広範囲から歓声が上がっています。しばらくして、散り散りになったゲストが順次ボートに回収された後、ボート上でミーティングが行われます。「ジンベエザメとマンタとモブラ、どれを見たいですか?」との贅沢な質問に一瞬頭を悩ましますが、全員一致で「ジンベエで!」という結論に達します。船上にいるみんなの顔はすっかり夏休みの小学生のような顔になっています。そして1匹目に見たジンベエザメを発見し、ボートでゆっくりと近づき「はいっ!どうぞ!」という掛け声を合図にキャー!とばかりに次々とジンベエザメの周辺に飛び込みます。

ジンベエ・スノーケリングのスピードから脱落したゲストが次々にボートで回収されるのですが、2人の女性がジンベエの両脇にぴったりと寄り添って泳いでいます。小型ボートの上では「あの人、きれいなクロールでずっとついていってるよねー。」「…あれ?あれもしかしてうちの奥さん!?ジンベエと泳ぐんだっていって、日本では、週末にプールに通っていたんですよ。」などという会話が弾んでいます。そうして全員が4回もジンベエ・スノーケリングを楽しんだ後、小型ボートに乗ったままラ・パスのマリーナへと向かいます。

そのとき、2頭のイルカ(コビレゴンドウ)が登場です!急遽イルカウォッチングが催行され、イルカを追って、ボートは反転します。海面をイルカの背中を探して追っていると、どうやら2頭のイルカが2組いるようです。どちらを追うか悩んでいると、2組が合流して4頭1組になってくれます。夕日に赤く染まる空と海面を背景にイルカが描く、4つのシンクロした黒い美しい弧が、「バイバーイ!また来てね!」と言っているようです。

ラ・パスのペンションに戻った後も、ジンベエ・スノーケリングの写真や動画をみんなで見るなど、「子供に戻った優雅な大人の休日」の余韻に浸るのでした。
■ ダイブログ

1日目

* ファン・ミン
* ロス・イスロテス
* ロス・イスロテス

2日目

* エル・バホ
* エル・バホ
* ロス・イスロテス

3日目

* ラス・アニマス(ピナクロス)
* ラス・アニマス(ピナクロス)
* ラス・アニマス(ケイヴ)
* ラス・アニマス(ピエドラ・ノルテ)

4日目

* プンタ・ロボ
* エル・フェリー
* スワニー・リーフ
* ジンベエ・スノーケリング


CATEGORY

MONTHLY ARCHIVE

ページ先頭へ