ウミウシ大集合!

2012年2月6日(月)

母なる大地が生み出した、蝶々のようにカラフルで様々な形をした美しいウミウシ達。今回はこの“海の蝶々”に注目してみましょう!


1. 写真提供:ワカトビゲスト Tom Fretz 
(シンデレラウミウシ)


動物界でウミウシは、貝類と同じ軟体動物門に入ります。お腹の筋肉が発達してできた“足”があるため、軟体動物門の中ではアメフラシやミドリガイと同様、腹足網に分類されています。このカラフルで奇妙な生物は、様々な形状や機能を持っており営み方も違うというから、さらに驚きです!


写真提供:ワカトビゲスト Richard Smith
(サフランイロウミウシ)


今日までに3,000種類以上のウミウシが分類されていますが、新しい種類のウミウシが現在もなお、たくさん確認されています! 小さいもので数ミリのものから5センチくらいのものがほとんどで、深度に関係なく見つけることができます。


写真提供:ワカトビゲスト Steve Miller 
(セグロリュウグウウミウシ)

貝類とウミウシの違いは、鰓の位置にあります。

貝類の多くは鰓が心臓より前に付いていて、ウミウシの鰓は心臓より後または平行する位置に付いているので、識別する時に確認してみてください。


写真提供:ワカトビゲスト Burt Maurine

ウミウシは、非常に興味深い両性の生き物です。

成熟したウミウシは、上部の首に近い部分に生殖器の開口部を持っています。そして同じ種類のウミウシに会うと、まず匂いを確認します。その後、触覚を使いお互いを認識し合った後、求愛行動に入るようです。


写真提供:ワカトビダイブガイド Miguel Ribeiro 
(ミゾレウミウシ)


ウミウシのペアは、ポジションを“尾”と“頭”にとり、交配する性器乳頭を並べあいます。接触すると、それぞれのペニスを首から裏返し、メスの生殖管を探し出します。この行為は数分で終わることもあれば、何日もかけて行われることもあるそうです。


写真提供:ワカトビゲスト Eric Cheng  
(ダイアナウミウシ)

ウミウシの一部は、ペアで交尾しながら卵のリボンを残していきます。通常、孵化した後、餌に困らないよう食物源の近くに配列されており、卵のリボンは種に応じて、大きさ、形、色と異なります。


写真提供:ワカトビゲスト Eric Cheng  
(アンナウミウシ)


ウミウシの卵のほとんどが有害であるため、ウミウシのペアは、安心して卵から離れていきます。卵が孵化すると、卵から自ら這い出てくる種もあれば、水中で浮遊しながら発育していき最終的にサンゴ礁に落ち着く種もあり、種に寄って全く異なります。


写真提供:ワカトビゲスト Frank Owens

様々な色彩や形を持つウミウシは、食べ物の好みも多様です。

他の種がゆっくり藻類、海綿、イソギンチャク、サンゴ、フジツボ、魚の卵や甲殻類などを食べている時を狙い、他のウミウシを食べてしまう食欲旺盛な共食いウミウシもいるようです!


写真提供:ワカトビゲスト Paul Sutherland 
(クロスジリュウグウウミウシ)

ウミウシは、非常に敏感な二つの触角を持っています。この触角を使い流れの中でも匂いを嗅ぎ分けることができるそうです。また、触感で獲物の居場所を嗅ぎ付けることもできるようです。


写真提供:ワカトビゲスト Richard Smith 
(アカフチリュウグウウミウシ)

ウミウシは地球上に生息する生物の中でも、とてもカラフルな生物のひとつです。彼らは、様々な手段を使い自分の身を守っています。
ミドリガイ科などのいくつかのウミウシは、カタツムリのようにヌルヌルした道を残すので、仲間を見つけるのには役立ちますが、同時に他のウミウシに情報を提供してしまうことにもなります。

また、攻撃された種のウミウシは、証跡に科学物質を放出し、仲間に警告することができるそうです!


写真提供:ワカトビゲスト Frank Owens

数種類のウミウシは、身を守るために色や皮膚の表面を生息する場所に似せようと進化するものもいれば、悪臭を放つものもいるそうです。

また、とてもカラフルな生物は毒を持つか、まずくて食べられないという印だと知られていますが、鮮やかな色を持つクロモドーリス科のウミウシもそのひとつです。

体に悪い有害なウミウシを食べて学んだ魚やウツボ達は、まずいウミウシを二度と襲うことはないそうです。


写真提供:ワカトビゲスト Eric Cheng 
(シラナミウミウシ)

アデヤカウミウシは、刺胞動物を餌とし、その刺胞を体内に蓄えることができる特殊なウミウシのひとつです。そしてその刺胞を背中の突起部分に凝縮させ、敵から身を守るために使っています。


写真提供:ワカトビゲスト Saskia Van Wijk 
(アデヤカウミウシ)


シライトイウミウシは、幼生期にのみ貝を持ちます。またこのような色鮮やかな生物は、毒を持っている証です。


写真提供:ワカトビゲスト Steve Miller 
(シライトウミウシ)

このエリアでよく見られるイボウミウシ科のウミウシは海綿を好んで食べます。またこの鮮やかな色は、魚や甲殻類が嫌がる化学物質を持っていることを意味し、水中生物を寄せ付けません。


(フリエリイボウミウシ)

今朝のダイビングのハイライトはと言うと、この美しいヒラムシが泳いでいるところを見た事です! 何名かのラッキーなゲストは、見られただけではなく、写真におさめることにも成功したようです!!


写真提供:ワカトビゲスト Troy Cheek 

ヒラムシはウミウシに色んな意味でとてもよく似ていますが、ヒラムシは外側に鰓を持ちません。ヒラムシのいくつかは縁に目のようなものを持ち、また違った種は、頭の近くに背触手を持っています。


写真提供:ワカトビゲスト Saskia Van Wijk  
(ヒラムシ)


写真提供:ワカトビゲスト Frank Owens 
(アンナウミウシ)


ワカトビのエリアでは、年間を通してたくさんのウミウシやヒラムシを見ることができます。チョウチョウウオの生息種類でサンゴと魚の多様性が分かるように、健康なサンゴ礁を好むウミウシがたくさん見られるという事から、ワカトビが環境保護に力を入れているというのがお分かり頂けるはずです!


写真提供:ワカトビゲスト Steve Miller



CATEGORY

MONTHLY ARCHIVE

ページ先頭へ