Can you feel it?….

2012年9月24日(月)

レモンを思い浮べてください・・・それからレモンを絞ります・・・そして味わってみます・・・生唾が出てきますよね?

私達人間だけではなく、感覚や知覚は水中世界にも存在するのです!

それぞれの動物は、実は異なったユニークな方法で外から刺激を感じることができるのです。私達には、視覚・聴覚・味覚・触覚・嗅覚の五感が備わっていますが、いくつかの水中生物は私達以上に感じることが出来るのです!



光、影、色・・・形、触角、目、鼻、鰓(えら)、房・・・全てが特別な役割を果たしているので、水中で生きていくには必要不可欠なのです。


写真提供:ワカトビゲスト Steve Miller

視覚に優れている海洋生物もいれば、皮膚を通じ感知できる能力に優れている種もあり、地上に住む動物と私達人間とは全く異なる様々な才能を持っています。

さあ、どんな感覚を持っているのか探りに行きましょう!



触覚・・・タコにとって、触れて感じるということは非常に重要なことです。タコは腕に小さい吸盤があり、その吸盤の中にはとても敏感な触覚を持っているため、これを使い周囲の状況を感じ取っているのです。そしてこの吸盤は特殊な液で覆われていて、タコはこれを使い触れている物の“味”も分かるそうです!

また、腕の先にあるセンサーで匂いを感じることもでき、この味覚と嗅覚の組み合わせは私達人間よりも断然優れています!タコは高い知能を持つことでも知られているのが、うなずけますね。


写真提供:ワカトビゲスト Frank Owens

触覚・・・リラクゼーションマッサージを受けるのは好きですか? 私達がマッサージを受けるのによく似た事が、水中のクリーニングステーションで行われているのです!

大きい魚や“ストレスが溜まったお客様”が来ると、ホンソメワケベラなどのクリーニングを担当する魚は鰭を使ってまず相手を落ち着かせてから、寄生虫などを取っていきます。サンゴ礁に住むクリーニング係は、こういった食性により身を守る防御術も身につけているので一石二鳥ですね。


写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams

視覚・・・シャコ類が、地球上で一番優れた視力を持った生物というのをご存知でしたか?

三眼視で10,000以上の色を識別する要素と、12のカラーチャンネル(私達人間はたった4チャンネル)を持ち、そして紫外線も見えるということから、私達が想像もできない世界を見ている事になります!!そして今日現在、円偏光を識別できる生物は他には見つかっていないというから、さらに驚きです。

どのくらい凄いのかと言うと・・・きっとアイデア的には、6D(3Dの2倍!)の映像を見ている感じなのでしょうか!?


写真提供:ワカトビゲスト Doug Richardson

視覚・・・ほとんどの魚は全ての方向がよく見えるよう、頭近くに発達した目を持っています。ハゼやギンポ科の魚は、それぞれの目を別々に動かす事が出来るので、面白い表情を見せてくれます。よく岩やサンゴ上から周りを見渡し、目をクルクル動かしながら周囲を観察しています。


写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams

嗅覚・・・ウミウシは、主に匂いを通して外界を感じています。頭の上には2本のアンテナのような触角があり、これが嗅覚にあずかる器官となっています。これらの感覚システムが、エサの在り処や仲間がいる場所へと導くだけではなく、敵から逃れるためにも役立っているのです!


写真提供:ワカトビゲスト Richard Smith

嗅覚・・・ウツボは視力がとても悪い代わりに、優れた嗅覚を持っており、鼻孔が管状をしているのも特徴的です。その優れた嗅覚システムを使い、獲物を見つけ出すのです!ハナヒゲウツボのようにいくつかの種は、ヘラ状の前鼻孔を持っています。



味覚・・・一般的に魚類は、唇、舌、口で味を感じる事ができるとされています。とても敏感な味覚細胞を持つため、唇に触れただけでも味が分かるそうです!


写真提供:ワカトビゲスト Richard Smith

味覚・・・ヒメジ科の魚は、味覚を感じるためのヒゲを持っています。砂地やガレ場などで、砂をあらしエサとなる無脊椎動物や海虫を探している所をよく見かけます。この種の魚もまた、口に入る前に味が分かるそうです!!


写真提供:ワカトビゲスト Dennis H. Liberson

聴覚・・・魚類が耳を持っていないのは明らかですが、進化した内耳を持っているため、水中の音をよく聞く事が出来るそうです。鰾(うきぶくろ)を使い水中の音を反響させ、増幅された振動を内耳に伝えることができる魚もいるそうです。

多くの魚が、このように音を発しコミュニケーションをとっていると考えられています。


写真提供:ワカトビゲスト Eric Cheng


写真提供:ワカトビゲスト Robin Smith

電気受容感覚・・・サメとエイは、微弱な電流を感知できる特別な器官を持っています。

この感覚器官があるため、光の届かない深海や視界の悪い場所でも獲物を見つけたり、仲間を見つけたりする事ができると考えられています。800キロ離れた獲物を追跡することもできるそうです!

また、地球が持つ磁気を使って海を移動しているとも考えられているようです。


写真提供:ワカトビゲスト Gal Goyen

紫外線知覚・・・いくつかの魚は、紫外線を知覚することができるのです! ほとんどのスズメダイは、私達人間には見えない波長が認識でき、危険を知らせるシグナルとして使っているようです。

ということは、 こんなに小さい魚が私達人間より広い色のスペクトルで見られるということになり、私達がカラフルで美しいサンゴ礁だと思っていた景色はどのように見えるのでしょう?


写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams

水中生物は、私達人間が感じる事の出来る五感以上の感覚を持っている事が分かりました。

水中の世界には、まだまだ不思議がいっぱいです!

私達が彼らの行動を観察しているつもりでいましたが、魚達の世界にお邪魔しているのは私達人間の方なのです。

ダイバーとして、私達を取り巻く生物達がどういうふうに私達人間の事を見ているのか想像もつきませんが、逆の立場になって考えてみると面白いですね!


写真提供:ワカトビゲスト Mark Snyder



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