振り返れば奴がいる?

2012年12月25日(火)

水中の世界では、いつ遭遇できるか分からない生物がたくさんいるからこそ、会えた時の感動は倍増し、忘れられない瞬間や思い出となります。だから、ダイビングはやめられない!とい方も多いはずです。

貴重なチャンスを逃さないためにも、目の前だけではなく、上や横そして、たまには振り返って後もチェックしないといけませんよね!?

Wakatobi で生き生きとしたサンゴ礁に住む、カラフルな魚たちや小さな生物たちをダイビングやスノーケル中に見つけると、もっともっと色々な生物が見たくてたまらくなってしまいますよね?

泳いでいると、どうしてもサンゴ礁の広がるリーフにばかり集中しがちですが、そんな私達を尻目に、一体どれだけの生物が横を通り過ぎて行くのか、不思議に思った事はありませんか?もしかしたら魚たちが、あなたの方を見ているかもしれませんよ!


写真提供:ワカトビゲスト  Wayne MacWilliams

魚たちが泳ぎ回る水中は三次元の世界なので、周囲でどんなことが起きているのか、時には感覚を研ぎ澄ます必要があります。



写真提供:ワカトビゲスト  Steve Lock

その良い例がこちらです!

少し前の出来事なのですが、リーフに沿ってドリフトダイブしていると、ダイバーの後方から姿を現したのは・・・何と!ジンベイザメではありませんか!!

その巨大な訪問者にさえ、最初は多くのダイバーが気付きませんでしたが、フレンドリーなジンベイザメと一緒に泳ぐことができ、みんな興奮していました!


写真提供:ワカトビゲスト  Marina Navarrete

世界最大のサメであるジンベイザメは、60万年前から地球に生息していると考えられています。大きさは12メートルに達することもあり、間違いなく世界最大の魚類です!

このような立派なジンベイザメと泳ぐ事は、ダイバーの夢でもあります。サメと言うと怖いイメージですが、ジンベイザメは大きな口を開けて、プランクトンを吸い込んで捕食している穏やかなサメで、寿命は約70年とされています。


写真提供:ワカトビゲスト  Kirk Stolzenburg

ワカトビで小さな生物の行動を観察していると、完全に魅了させられてしまいます!

外見がオラウータンのような、オラウータンクラブをよく観察してみると・・・毛むくじゃらの腕でお腹をかく様子はまさに、ジャングルに住むオラウータンにそっくりです!


写真提供:ワカトビゲスト  Steve Rosenberg

ラウータンクラブを観察しているダイバーたちのすぐ後では、カイメンをばくばく食べているタイマイに、まだ誰も気付いていません:)

ワカトビのダイブサイトでよく見られるタイマイは、くちばしのように尖った口に細長い頭、そして甲羅の縁がギザギザしているのが大きな特徴です。サンゴ礁にあるくぼみやオーバーハングにある大好物のカイメンや無脊椎動物にリーチしやすそうですよね。

ワカトビのように豊かなサンゴ礁が広がる海には、巨大なカイメンもたくさんあります。きっとウミガメたちも、この美しい海を泳ぎ回れる事を幸せに思っているはずです!


写真提供:ワカトビゲスト  Rodger Klein

ウミガメは、海の中でも古い生き物のひとつです。特に水中での生活に適応したウミガメたちは、恐竜がいた時代までさかのぼり、何百万年も前から生存していた事が分かっています。でも、その頃はまだ地上で生活していたようです。

卵から孵化し、砂を一生懸命かいて地上へ上がってくると、一目散に海へと向かっていきます。今日では ウミガメの全て7種が、世界中で絶滅または絶滅の危機に瀕しているとされています。また、卵を狙う捕食者だけではなく、次の世代を残すために岸に上がらなくてはならないメスを狙う捕食者もいるため、一番弱い立場にいるのがメスのウミガメのようです。


写真提供:ワカトビゲスト  Paula Butler

タイマイがカイメンを食べている頃、浅瀬ではバラクーダの群れが渦を巻いています! ダイバーはまだオラウータンクラブを観察しています・・・そうこうしているうちに、バラクーダの群れはリーフから遠ざかって行ってしまうのでした。みんな、見過ごしちゃいましたね:)

バラクーダは、海の捕食者として非常に効率的な体付きをしています。鋭い視力に強力な顎、そして素早い身のこなし (獲物を捕らえるときには、毎時40km以上のスピードがだせるようです) ハンティングにはもってこいです!そして彼らは、食物連鎖の一番上に位置する生物でもあるのです。

バラクーダがボラやイサキ、イトヨリダイなどの小さい魚を捕まえる時は、ストーカーのごとく辛抱強く後を付いて行き決定的瞬間をひたすら待つそうです。時には大きな魚を襲うこともあり、強力な顎を使って半分に齧ってしまうのです!


写真提供:ワカトビゲスト  Mark Snyder

‘頻繁に周囲を確認しなきゃ!’と分かってはいるものの、どうしても”小さい生物”に目がいってしまう・・・そんな方も多いはずです!大物もいいですが、こんな可愛いマクロ生物も見逃したくないですもんね!?

ワカトビで人気者のピグミーシーホースを見つけるのは簡単ではありませんが、一度目にすると、どうしてたくさんのダイバーが見たがるのかが分かるはずです!流れの中でも中性浮力がきちんととれるダイバーは、ウミウチワの周りを泳ぐ姿や求愛や交尾シーン、何かを食べている様子など、タンクのエアーが続く限りこの小さなピグミーシーホースを観察してみたいと思っているはずです。そんな、1センチにも満たないピグミーシーホースの驚くべき行動を目にするには、いい視力または虫眼鏡が必要ですね:)


写真提供:ワカトビゲスト  Richard Smith, oceanrealmimages.com

レアな生物を自分で見つけられた時は、本当に嬉しいものですよね!?

ある日、ワカトビのゲストDenise McCauleyさんが後を振り返ってみると、ステルス戦闘機のようなシルエットが近づいて来たので、すかさずシャッターを切ったそうです。


真提供:ワカトビゲスト  Denise McCauley

ダイビング中にどんな生物に遭遇できるかという大きな期待が、
巧妙にカムフラージュしたオニダルマオコゼなどの生物を見つけ出そうと、サンゴ礁の隅から隅まで覗き込みダイバーは一生懸命です!

このように、キレイな青色のハナヒゲウツボが穴から体を出し、ポーズしてくれると本当に嬉しいものです!


写真提供:ワカトビゲスト  Walt Stearns

大きな音と泡を出している‘大きくて変な魚’は何をしているのかと、好奇心旺盛なミナミギンポが穴から顔を出しています。

幼魚時はクリーナーフィッシュに擬態しているミナミギンポは、きっとその‘大きな魚’がキレイにしてもらいたいのか様子を見ているのかもしれません。


写真提供:ワカトビゲスト  Steve Rosenberg

ダイバーのすぐ後で、ヒメジが群れをなしています。小さなギンポより何十倍も大きいのに臆病なのか群れで円を描くように泳いでいます。


写真提供:ワカトビゲスト  Steve Lock

サンゴ礁を泳いでいると、イソギンチャクの中でクマノミとは違った動きをする‘何か’に気が付くはずです。

主にハダゴイソギンチャクに生息するアカホシカニダマシは、プランクトンなどをキャッチしては、口に運んでいきます。


写真提供:ワカトビゲスト  Koichiro Mine

アカホシカニダマシを観察していると、セジロクマノミの成魚はダイバーから幼魚を守るために、勢いよくダイバーの目の前を泳ぎに来ます。

ひとつの小さな場所で様々な事が起きているのに見入っている頃、再びダイバーのすぐ後では、あの魚が見つけてもらうのを待っているかもしれません・・・。


写真提供:ワカトビゲスト  Warren Baverstock, verstodigital.com

一本のダイビングが終わりに近づいてくると、残圧が少ない何人かのダイバーは浮上していきました。もう少しだけ潜っていようと考えていた二人のダイバーの目の前に現れたのは・・・魚をくわえたコブシメです!何というパーフェクトなタイミングなのでしょう!

タコやイカのように色や模様、質感を瞬時に変えられ、周囲に溶け込めるコブシメは、”海のカメレオン”みたいです。コミュニケーションをとる時や求愛行動の時に、体色を変化させたりします。


写真提供:ワカトビゲスト  Larry Abbott

水平線の向こうに太陽が沈んでいく頃になっても、その日に偶然、遭遇できたジンベイザメのことを思い出すと、興奮で胸がいっぱいです!!

そうなのです!たまには、後を振り返ったり、上を見たりして周囲を見渡してみるとラッキーなことがあるのです!


写真提供:ワカトビゲスト  Kirk Stolzenburg

今日もまた、充実した一日をワカトビで過ごす事が出来ました! そんな日は、美しい夕日を見ながらジェッティバーで乾杯です!!


写真提供:ワカトビゲスト  Didi Lotze

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