2012年10月10日(水)
夜の世界日が暮れると、ワカトビではミステリアスな夜行性の生物達が目覚めはじめます・・・
1. ナイトダイブに行くと、昼間にはあまり遭遇できない生物を見ることが出来ます。
さて、どんな生物がいるのか一緒に見てみましょう!
2. 日中ダイビングに出かけサンゴ礁を見渡してみると、植物を主に食べるたくさんの草食動物、そして他の魚を食べるいくつかの肉食動物と植物と動物の両方を食べる雑食性の動物がいることに気がつくはずです。
草食系のブダイの口を見てみると、とても立派な歯を持っています。この歯は、コブハマサンゴなどのイシサンゴや藻類で覆われた表面を削りながら食べるのに適しているのが分かります。
写真提供:ワカトビゲスト Claus Meyer
3. 対照的に、夜の海で一番活発な魚はというと肉食系の動物になるでしょう!
日が暮れ始めると小さなエビたちが、プランクトンの集まる水面へ集まり始めます。そしてそのエビたちは、大型の魚の格好の餌食となってしまうのです。
写真提供:ワカトビゲスト Eric Cheng
4. 夜行性の水生動物について興味深い特徴はというと、大きな目です。
広い瞳孔に大きな球面をもつ大きな瞳は、より多くの光が入ってきます。そのため、大きな瞳を持つ多くの夜行性の生き物は、強い太陽の日差しから目を守るため、日中はテーブルサンゴの下や小さい穴の中に隠れているのです。
写真提供:ワカトビゲスト Doug Richardson
5. ナイトダイブ中に、魚の目が水中ライトの光を反射しているのに気付いたことはありませんか? これは、夜行性の水生動物が暗闇でもよく見えるよう目を順応している良い例です。
写真提供:ワカトビゲスト Steve Miller
6. サンゴ礁に住む夜行性の生物は、多少の光または真っ暗な中でも獲物を見つけられるユニークな特性を持っています。
側線という体の両側に並んでいる線状の感覚器官が一つの例です。この側線があることにより、小さな水流や水圧の変化、振動を感じ取ることができるため、視界の限られた水中でも獲物を捕らえることができるのです!
写真提供:ワカトビゲスト Frank Owens
7. 通常、昼行性の魚の方が多くの夜行性の魚より早く泳げるようデザインされています。
その理由としては、多くの夜行性の魚達は獲物を待ち伏せし狙っているため、早く泳ぐことよりもいかに上手にカムフラージュするかが重要になってきます。とは言うものの、獲物を捕獲するために猛スピードで追いかけることもありますけどね・・・
写真提供:ワカトビゲスト Frank Owens
8. 夜間よく見かける生物の体の色は、赤か黄色または茶色をしていることがほとんどということをご存知でしたか?
これらの色は、光の少ない水中では吸収される色のため、夜行性の生き物にとっては身を隠すのに都合のいい色ということになります。
写真提供:ワカトビゲスト Burt & Maurine
9. 夜行性の生物は、大きな群れやグループで生活するよりも単独で生活するのを好むようです。
さて、どんなミステリアスな生物たちがいるのでしょう?
写真提供:ワカトビゲスト Doug Richardson
10. ウミウシやヒラムシも夜になると活発に行動し始めます。カラフルできれいなウミウシはいつ見ても嬉しいし、フォト派ダイバーにも人気の生物です。
写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams
11. ナイトダイブの人気者のひとつとして、ヒレボシミノカサゴが挙げられます。
日中は隠れていますが、暗くなると出てきてエビやカニを食べています。光が苦手なためすぐ逃げてしまいがちですが、手でライトを少し遮ったりすると近づくことが出来ます。
写真提供:ワカトビゲスト Christian Mueller
12. 暗くなると大小様々、色々なスタイルのカニもエサを探しにでてきます。
カイカムリやカイメンガニ、ソメンヤドカリのように、カイメンやウミトサカ、イソギンチャクなどを背中に付着させているカニも珍しくありません!
写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams
13. イカやコブシメ、タコもまた闇の中ハンティングをする生き物です。
もし、イカやコブシメを見つけた場合は、ライトで照らし続けると(もちろん、目は避けてあげましょう)色を変える姿や獲物を捕獲する瞬間を目撃できるいいチャンスです!
この色を変えられるテクニックは、水中に住む無脊椎動物の中で最速の記録(40km/h)というからさらに驚きです!
写真提供:ワカトビゲスト Steve & Carmen Williams
14. 今までナイトダイブ中に、サンゴの間で光るたくさんの小さな赤い目を見たことはありませんか? 実はこれらは全てエビの目なのです!
すごくゆっくりアプローチすると、様々なサイズや種類のエビを見ることができますよ!
写真提供:ワカトビゲスト Wayne MacWilliams
15. 多くのサンゴも夜になるとポリプを開き触手を使ってエサを取ります。ポリプを開いた姿は、まるで花を咲かせているようでとても美しいです!
日中、ヤナギウミエラは縮んで砂の中に潜り込んでいますが、夜になると美しい姿を見せてくれます。非常に繊細ですが、優しく触れてみると明るい緑色の光を放つのです!
写真提供:ワカトビゲスト Ryszard Pozarycki
16. 夜行性の生物として知られていない場合でも、ウミガメや海鳥など多くの種は、産卵中に捕らえられるリスクを減らすため、夜間、産卵場所を訪れます。こうすることにより、卵を保護することにもつながります。
こんなミステリアスな世界に私達ダイバーは、お邪魔できるなんて素敵な事ですよね!